文:オートバイ編集部/写真:松川 忍
ヤマハ「RZ250」特徴
2ストの未来を切り拓くヤマハの技術の集大成!
1970年、アメリカで制定された「マスキー法」はバイクメーカーにも大打撃となる。特に、紫煙を吐きながら走る2ストローク車への風当たりは非常に強いものだった。
軽量・コンパクトな2ストスポーツを得意としてきたヤマハにとっても影響は大きく、2ストを造れるのはもう最後かもしれない、という空気が漂っていた。それならば、2ストの集大成となるモデルを造ろう、ということで開発されたのがRZ250だった。
レースシーンで培ったノウハウを惜しみなく投入し、エンジンは市販レーサー・TZと同じボア・ストローク比を採用。最高出力は35PSで、これはリッター当たり140PSという驚異的なもの。わずか139kgという軽量な車体との組み合わせで、RZは当時の花形だった400ccスポーツ車と互角のパフォーマンスを披露。ロードスポーツ車初の、カンチレバー式モノクロスサスペンションなど、最新装備もどんどん投入された。
結果、RZは発売と同時に大ヒットを記録しただけでなく、2ストロークスポーツの魅力を世界に再アピール。RZがなかったら、その後のレーサーレプリカブームはなかった、と言っても過言ではないだろう。
ヤマハ「RZ250」後継モデル
後のレプリカブームに繋がる進化版
一躍250ccスポーツクラスをリードする存在となったRZだったが、各社から続々と登場した強力なライバルたちの猛追を受け、1983年には排気デバイス・YPVSを採用し、ビキニカウルを標準装備したRZ250Rへと進化。1984年には大型のフェアリングを備えたRZ250RRも登場。これらのモデルが後のレーサーレプリカへと繋がっていく。