1980年代前半、国内のバイク市場の花形は400ccクラス。各社ともフラッグシップに4気筒スポーツを据えていたが、その中でもピカイチの存在感と人気を誇ったのがCBX400F。ホンダが満を持して投入した、美しさと速さを兼備した名車だ。
文:オートバイ編集部/写真:瀬谷正弘、松川 忍

ホンダ「CBX400F」特徴

画像: Honda CBX400F 1981-1984年 総排気量:399cc エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:775mm 車両重量:173kg(乾燥)

Honda CBX400F
1981-1984年

総排気量:399cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:775mm
車両重量:173kg(乾燥)

群を抜く高性能ぶりと美しいデザインで人気に

1979年に登場したカワサキのZ400FXの大ヒットを受けて、ヤマハからはXJ400が、スズキからはGSX400Fが登場し、当時の国内市場の花形クラスだった400ccスポーツは4気筒モデルで賑わっていた。

ホンダは当時市場の需要を読み違えており、他社に先駆けて投入した4気筒車のCB400フォアは高価ゆえに支持を得られず生産中止、以降「ミドルクラスにちょうどいい性能」と2気筒のホークを展開したが波に乗れずにいた。そして、市場の声に押される形で1981年にCBX400Fが登場する。

後発組だったこともあり、CBXは革新的なハイメカを満載していた。エンジンは空冷のDOHC4バルブで、クラストップの48PSを発揮。インボードディスクブレーキ、アルミスイングアーム、エアサスペンションなど、装備も革新的だった。

一方でボリュームある造形や美しいカラーグラフィック、X字型にクロスしたエキパイなど、スタイリングも非常に優美なもので、CBXは当時の若者の心を鷲掴みにする。その人気は後継モデルのCBR400Fが登場した後も衰えず、市場からの熱烈なリクエストで再生産されるほどだった。

画像: 今もカラーが受け継がれる伝説の1台 当時の若者は、CB400フォア以降、待ちに待ったホンダの4気筒ニューモデルに熱狂。CBXはたちまちヒット街道を驀進したのであった。当時のカタログはこのバイクの美しさを強調するカットをふんだんに使用。写真は初期型のものだが、後期型のカタログはX字型エキパイをフィーチャーした表紙だった。

今もカラーが受け継がれる伝説の1台

当時の若者は、CB400フォア以降、待ちに待ったホンダの4気筒ニューモデルに熱狂。CBXはたちまちヒット街道を驀進したのであった。当時のカタログはこのバイクの美しさを強調するカットをふんだんに使用。写真は初期型のものだが、後期型のカタログはX字型エキパイをフィーチャーした表紙だった。

画像: CBX400F用のRSCキットパーツ ホンダはCBX400F用にRSC(現HRC)のキットパーツを販売。改造範囲を制限した、事実上ワンメイクレースの「SS400」クラスを創設した。

CBX400F用のRSCキットパーツ

ホンダはCBX400F用にRSC(現HRC)のキットパーツを販売。改造範囲を制限した、事実上ワンメイクレースの「SS400」クラスを創設した。

ホンダ「CBX400F」バリエーションモデル

激動の時代に輝いた人気シリーズ

1982年には国産初のカウル付きモデル「インテグラ」が登場。バイクブームの中、各社間で熾烈な開発競争が行われており、CBX400Fも1983年にいったん生産を終えるが、あまりの人気と市場のリクエストに押され、1984年には再生産されるという異例の事態となった。

画像: CBX400F INTEGRA 1982年

CBX400F INTEGRA
1982年

画像: CBX400F 1984年

CBX400F
1984年

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