1980-1984年には、後世語り継がれる名車が多数登場しているが、そんな中でもひときわ輝くマシンのひとつが「900ニンジャ」ことGPZ900Rだ。「次世代のZ1」として誕生し、約20年の長きにわたって愛されてきた名機をここで振り返ろう。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、鶴身 健

カワサキ「GPZ900R」特徴

画像: Kawasaki GPZ900R 1984-2003年 総排気量:908.2cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:780mm 車両重量:228kg(乾燥)

Kawasaki GPZ900R
1984-2003年

総排気量:908.2cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:780mm
車両重量:228kg(乾燥)

「Ninja」の栄光の歴史はこの900から始まった

Z1の登場以降、圧倒的な高性能とパフォーマンスを武器にビッグバイク市場をリードしてきたカワサキだったが、ライバルたちが急速な進歩を遂げ高性能化していく中で、空冷のままでは対処が難しいと判断、1980年代に入ると「次世代のZ1」を模索するようになる。そして、さまざまなトライの結果誕生したのがGPZ900Rだ。

サイドカムチェーン採用の水冷908.2ccエンジンを、ダウンチューブを廃した、斬新なレイアウトと構造のダイヤモンドフレームにリジッドマウント。パワーは115PSを誇り、空力性能を追求したフルカウルの効果もあいまって、最高速は250km/hに到達。世界最速の称号を手に入れ、ライダーの羨望を集めたのだった。

画像: カワサキ「GPZ900R」特徴

一方で、北米市場の要望で「日本らしい名前を」とつけた「ニンジャ」のペットネームも大流行。映画『トップガン』で主人公の愛車として登場したことも手伝って不動の人気を獲得、2003年に生産が終了するまで、世界中のライダーから愛される名車となった。現在でこそ「ニンジャ」はカワサキのラインアップの柱のひとつだが、すべてはこのモデルから始まったのである。

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