群雄割拠の1980年代における「究極のバイク」のひとつがヤマハのRZV500Rだろう。世界GPを戦うワークスマシン・YZR500のレプリカとして誕生した、ある意味で夢のバイクだが、その中身は工夫に満ちたものだった。
写真:オートバイ編集部
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ヤマハ「RZV500R」解説
こだわりが詰まった「究極のレプリカ」!
レーサーレプリカ、という言葉がピッタリあてはまる究極のロードモデルがヤマハのRZV500R。世界グランプリの最高峰・500ccクラスで3連覇を果たしたケニー・ロバーツが駆るワークスマシン、YZR500(0W61)をオマージュし、「究極のレプリカ」として開発されたマシンだ。
エンジンは0W61と同じ2軸クランクを備える市販車初の2スト水冷V型4気筒で、ホイールベースも0W61に近い1375mmに設定。フロントの16インチタイヤとあわせ、軽快なフットワークを目指した。
大型免許が必要で、価格も同時期のRZ250RRの2倍以上と高価だったため販売は苦戦し、国内では2年間で3700台が販売されるにとどまった。しかし国内仕様のみアルミフレームを採用するなど、ヤマハの妥協なきこだわりの詰まった一台だった。