文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行
スズキ「Vストローム800DE」各部装備・ディテール解説
エンジン
新設計の775ccパラレルツインエンジンを搭載。2軸1次バランサー「スズキクロスバランサー」を採用し、エンジンから発生する振動を抑制する。コンパクトなサイズで重量配分最適なライディングポジションを実現。超低速域でも粘り強いパワーを発生し、ワインディングロードからグラベル路での高いコントロール性を発揮する。
エキゾーストシステム
2-into-1エキゾーストシステムは、車体後方にサイレンサーを配置することで、グラベル路走行に必要な最低地上高とストロークの長いリアサスペンションのスペースを確保している。エキゾーストパイプ集合部には2段式の触媒コンバーターを装備し、平成32年(令和2年)国内排出ガス規制対応と、グラベル路での力強い出力特性を両立。
フロントサスペンション
220mmの長いフロントフォークストロークと212mmのリヤホイールトラベルというV-STROMシリーズの中で最長のストローク値を実現。前後ワイヤースポークホイール、ブレーキは前に油圧式ダブルディスク、後に油圧式シングルディスクを採用。フロントは21インチとし、グラベル路での安定性と操縦性を向上させている。
リアサスペンション
リアホイールにもオンロードでの走りを優先して17インチホイールを採用。タイヤのトレッドは専用設計され、リアタイヤの縦方向の溝はフロントとは違い、舗装路での安定性アップを狙って幅が狭められている。リアショックは伸側のダンピングアジャスターが備えられており、サスペンションセッティングが可能となった。
ヘッドライトまわり
クチバシをイメージしたデザインをこれまで以上にシャープに、高くレイアウトされている。縦に2灯配置したLEDヘッドランプは、モノフォーカスタイプを採用。クリアな前方視界を確保し、六角形のデザインが存在感とシャープな表情を演出している。LEDポジションランプ、LEDターンシグナルにより、視認性と耐久性を実現。
メーター
豊富な情報をライダーに提供するため、5インチカラーTFT液晶マルチインフォメーションディスプレイを採用。スピードメーター、タコメーター、トラクションコントロールモード、オドメーター、デュアルトリップメーター、ギヤポジションインジケーター、水温計、外気温計などに加え、サービスリマインダーを表示する。
燃料タンク・燃費・航続可能距離
大容量の20L燃料タンクにより、十分な航続距離を確保。スペック表に記載されているWMTC値の燃料消費率によると、1リットルあたり22.6km/Lの燃費性能になっているため、20リットルのガソリンを使い切った時の概算走行距離は450km以上にもなる。ロングツーリングでも安心だ。
シート
タンデムシート一体型タイプであるシートは長距離の走行でも疲れにくい肉厚な作りに。シートの先端がかなり絞られているため、足つき性やオフロード時の快適性なども考慮された作りになっている。荷物の積載などに便利なリアキャリアも標準装備されており、タンデム走行時にはパッセンジャーが握るグラブバーの役目も果たしてくれる。
テールランプまわり
車体後端に埋め込まれたテールランプは小ぶりなLEDランプが採用されており、その下部から伸びるフェンダー兼ライセンスプレートホルダーに装着された小ぶりなウィンカーも、LED仕様となっている。すべてLEDランプで小さくまとめられており、スッキリとしたリアデザインになっている。
スズキ「Vストローム800DE」主なスペック・燃費・価格
全長×全幅×全高 | 2345×975×1310mm |
ホイールベース | 1570mm |
最低地上高 | 220mm |
シート高 | 855mm |
車両重量 | 230kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 775cc |
ボア×ストローク | 84.0×70.0mm |
圧縮比 | 12.8 |
最高出力 | 60kW(82PS)/8500rpm |
最大トルク | 76N・m(7.7kgf・m)/6800rpm |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 28゜ |
トレール量 | 114mm |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 90/90-21M/C 54H・150/70R17M/C 69H |
乗車定員 | 2人 |
燃料消費率 WMTCモード値 | 22.6km/L(クラス3、サブクラス3-2)1人乗車時 |
メーカー希望小売価格 | 132万円(消費税10%込) |
スズキ「Vストローム800DE」写真・動画
文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行