サーキットユースを視野に入れた本格的なレプリカモデルが登場する中、レプリカには消極的だったカワサキが送り込んだスーパーバイクがZXR750。最先端技術を投入して高い戦闘力を誇った1台だ。
カワサキ「ZXR750」特徴
ワークスマシン直系のテクノロジーを継承!
1980年代中盤から本格化したレプリカブームだったが、当時カワサキは1982年のWGPを最後にレースシーンから撤退していたこともあってか、最後までレーサーレプリカに対して消極的だった。だが、1986年に全日本TT-F1にGPX750Rベースのワークスマシン、ZXR-7を実験投入、翌1987年からファクトリーチームによる本格参戦を始めると、ついに1989年、ZXR-7のテクノロジーを受け継いだZXR750が登場する。
GPX750Rのセンターカムチェーン式DOHC4気筒ユニットをベースにヘッドやクランクシャフトを新作し、ダウンドラフト吸気を組み合わせたほか、アッパーカウルから新気をエアクリーナーに導入するK-CASなど、独自の機構も投入。これをアルミE-BBOXフレームに搭載し、最後発ながら高いポテンシャルを誇った。