最後に乗るバイクとして選ばれるコンプリートZの魅力
「ゼファー1100のコンプリートを持っておられるお客さんから“最後に乗るバイクとして、自分でやりたい仕様で作ってほしい”とオーダーをいただいて仕立てた車両なんですよ」
こう、ブルドック・和久井さんが説明してくれるZ1。そのオーダーには“その1=しっかり全部手を入れる”や“その2=今所有しているゼファー1100コンプリート(ビキニカウル仕様)に近いイメージにしたい”という内容も含まれていた。
その1に関しては、ブルドック製コンプリートカスタムのGT-M(Genuine Tuning Machine)ではフレームからエンジン、もちろん細部に至るまで必ず行われるものだから、まったく問題なし。この車両でもフレームの確認・再構築、自社内内燃機加工、そして両パートを正しい位置でつなぐなどのメニューがしっかり施される。その2についてもGT-Mにはゼファー1100の製作例も多く、そのルックスバランスをZに投影していくというのも同様に問題なし。和久井さんはゼファーも長く扱ってきたし、むしろそのバランスアレンジこそ、GT-Mの大きな長所のひとつと言える。
ネック部からすっと下りてシートへと立ち上がっていくフレームは、前述のように前後17インチ対応のきちんとした仕上げをそのまま表現している。またピスタルレーシング鍛造ピストン+自社での内燃機加工で1200cc化し6速クロスミッションなども組まれたエンジンは、これも他のGT-M同様に、扱いやすさにも耐久性にも配慮した仕様となっている。だから特別なことなく、普通に定期メンテナンスをしていれば維持もしやすい。
低く構えたスポーティスタイルは、まず見ていて飽きが来ないし、所有して満足がいく。エンジンをかけ、乗っていくと、前述のような排気量とセッティングからのトルクを生かしたスムーズな走りが楽しめるし、前後サスセッティングやポジション設定も含めて、疲れも出にくい。こうした作りを持ったZになると分かっているから、最後のバイクにしたくなる。これも当然と言えそうだ。
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Detailed Description 詳細説明
全体のスタイリングをきれいに収めるビキニカウル、錆の心配もなく軽量化等のメリットも持つアルミタンクはマッコイ。ミラーはマジカルレーシング・NK-1ミラーのタイプ1ヘッド。左右マスターはブレンボRCSで確実な操作感と良好なタッチを作る。
17インチ最適スペックを持った正立φ43mm用ステムキットとセパレートハンドルもマッコイ。メーターはワンオフされたカーボンパネルの中央にSTACK ST200エンジン回転計、左下にモトガジェット・モトスコープミニ速度計、右下にヨシムラ・プログレスメーターを置く構成。トップブリッジ上にはハイパープロ・ステアリングダンパーを横置きしてある。
剛性感があり車両をコンパクトに扱えつつ疲労感も抑えるアルミ削り出しワンポジションのステップはマッコイ。アンダーカウルも装着される。
ダブルタイプのシートはマッコイ・スプリームに変更。内部/表皮の吟味によって、疲労を軽減しヒップグリップも高めることで積極的な操作も可能になるものだ。
各部カバーをマッコイ・ビレットで仕上げたエンジンはピスタルレーシング製φ76鍛造ピストンで1200cc化しマッコイ6速クロスミッション、アウトボード&オフセットスプロケットなどを組む。クランクシャフトを基準にしたフレームの加工等もGT-Mのセオリー通りで行われている。
キャブレターはTMR-MJNφ36mmをファンネル仕様で装着する。オイルクーラーへのラインもシリンダー後部から上を通し、スマートな外観作りにも配慮する。
フロントフォークはマッコイ×ナイトロンでフロントフェンダーはカーボン。フロントブレーキはブレンボGP4 RXキャリパー+マッコイ×サンスターコラボφ320mmディスクの組み合わせ。
リヤブレーキはブレンボGP2-SSキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスク。スイングアームは7N01目の字断面材製のマッコイ。排気系はチタン4-1(内部4-2-1構造)のWin Mccoyフルエキゾーストだ。
リヤショックはマッコイ×ナイトロンで、ブラックを選択して全体のトーンをまとめる。ホイールもアルミ鍛造のラヴォランテ・レジェンダで3.50-17/6.00-17サイズのブラックを履いている。ブラックプレート×ゴールドピンのドライブチェーンはRKの520XXWを使う。