まとめ:オートバイ編集部/写真:南 孝幸
油冷ユニットの魅力である「軽さ」を堪能できる
車体の軽さを活かした走りの楽しさもポイント
「油冷エンジンの魅力をもっと広めたい、ということで、ジクサーをベースにどういうカテゴリーのマシンが造れるか、と考えた時にアドベンチャーをやってみよう、という話になったのが最初です。コンパクトで軽量な油冷エンジンなら車体も軽くできるので、メリットも大きいと考えました」
そう語るのはチーフエンジニアの鈴木さん。Vストローム250SXは、250ccクラスでは少ない、未舗装路も楽しい「走りのアドベンチャー」を目指して開発されている。
「やるからには妥協せず『本物志向』でいこう、となりました。オンロードには2気筒のVストロームがあるじゃないか、と。ツーリングの途中で脇道に入ったらダートだった、という時でも、迷わず進めるバイクを目指しています。また、SXは視点が高く、軽やかに走れるので、初めての方でも楽しいと思います。車体の軽さも大きな武器になっています」
オフロードの走破性のために、最低地上高を確保すると、当然ながらシート高も上がってしまう。足つき性の確保のために、シート形状を決めるには相当苦労があったようだ。久野さんに聞いてみた。
「最低地上高を205mm確保すれば、当然シート高も上がってしまいます。そんな中で足つきをどれだけ良くするか、ということで、シート形状、特に前端部の絞り込みにはかなり苦労しました。スペックの数字を気にされる方も多いと思いますが、乗っていただくと、数値から想像するよりずっと乗りやすい、と思っていただけると思います。また、ツーリングでの快適性も重視しており、クッション圧も上げています」
車体が軽く、視野が高いことで、SXは走りも楽しそうだが、どのような乗り味を狙っているのだろうか。大庭さんに聞いた。
「軽快で走りが本当に楽しいジクサーの魅力をアドベンチャーでも味わって欲しい、という想いで開発しました。油冷エンジンだからこそ可能になった、車体の軽さをぜひ体感していただきたいです。また、小ぶりですが、スクリーンはライダーの肩から下をしっかり風から守ってくれます。これも何度も作り直して、開発に苦労したパーツなんです」
SXはシャープでスポーティなスタイリングも魅力。ポイントを村松さんに聞いた。
「単気筒でヒラヒラと軽快に走る、操りやすそうなイメージを大切にしました。フロントからシュラウドまでは大きなパーツ構成となっていますが、センター部分をブラックとすることで、車体をスリムでコンパクトに見せるような工夫をしています」
油冷エンジンの魅力を存分に楽しめる、軽快でどこでも走って行けるVストローム250SX。最後に鈴木さんに、ライダーに向けたメッセージをいただいた。
「まずは軽さに驚いていただきたいですね。250だからといって一切妥協はしていません。油冷エンジンの魅力をぜひ楽しんでください」
まとめ:オートバイ編集部/写真:南 孝幸