2023年8月に発売されたスズキのニューモデル「Vストローム 250SX」。開発を担当したスタッフの方々にこのモデルにかけた想いを聞いた。 
まとめ:オートバイ編集部/写真:南 孝幸
画像: SUZUKI V-STROM 250SX 総排気量:249cc エンジン形式:油冷4ストSOHC4バルブ単気筒 シート高:835mm 車両重量:164kg 発売日:2023年8月24日 税込価格:56万9800円

SUZUKI V-STROM 250SX

総排気量:249cc
エンジン形式:油冷4ストSOHC4バルブ単気筒
シート高:835mm
車両重量:164kg

発売日:2023年8月24日
税込価格:56万9800円

油冷ユニットの魅力である「軽さ」を堪能できる

画像: 写真左から 村松 晶氏(デザイナー)スズキ株式会社 二輪事業本部 二輪営業・商品部 デザイングループ係長 大庭 繁氏(テストライダー)スズキ株式会社 二輪事業本部 二輪第一技術部 品質管理グループ 鈴木一立氏(チーフエンジニア)スズキ株式会社 二輪事業本部 二輪営業・商品部 チーフエンジニア 久野雅明氏(艤装設計)スズキ株式会社 二輪第二技術部 艤装設計グループ

写真左から
村松 晶氏(デザイナー)スズキ株式会社 二輪事業本部 二輪営業・商品部 デザイングループ係長
大庭 繁氏(テストライダー)スズキ株式会社 二輪事業本部 二輪第一技術部 品質管理グループ
鈴木一立氏(チーフエンジニア)スズキ株式会社 二輪事業本部 二輪営業・商品部 チーフエンジニア
久野雅明氏(艤装設計)スズキ株式会社 二輪第二技術部 艤装設計グループ

車体の軽さを活かした走りの楽しさもポイント

「油冷エンジンの魅力をもっと広めたい、ということで、ジクサーをベースにどういうカテゴリーのマシンが造れるか、と考えた時にアドベンチャーをやってみよう、という話になったのが最初です。コンパクトで軽量な油冷エンジンなら車体も軽くできるので、メリットも大きいと考えました」

そう語るのはチーフエンジニアの鈴木さん。Vストローム250SXは、250ccクラスでは少ない、未舗装路も楽しい「走りのアドベンチャー」を目指して開発されている。

画像1: 油冷ユニットの魅力である「軽さ」を堪能できる

「やるからには妥協せず『本物志向』でいこう、となりました。オンロードには2気筒のVストロームがあるじゃないか、と。ツーリングの途中で脇道に入ったらダートだった、という時でも、迷わず進めるバイクを目指しています。また、SXは視点が高く、軽やかに走れるので、初めての方でも楽しいと思います。車体の軽さも大きな武器になっています」

オフロードの走破性のために、最低地上高を確保すると、当然ながらシート高も上がってしまう。足つき性の確保のために、シート形状を決めるには相当苦労があったようだ。久野さんに聞いてみた。

画像2: 油冷ユニットの魅力である「軽さ」を堪能できる

「最低地上高を205mm確保すれば、当然シート高も上がってしまいます。そんな中で足つきをどれだけ良くするか、ということで、シート形状、特に前端部の絞り込みにはかなり苦労しました。スペックの数字を気にされる方も多いと思いますが、乗っていただくと、数値から想像するよりずっと乗りやすい、と思っていただけると思います。また、ツーリングでの快適性も重視しており、クッション圧も上げています」

車体が軽く、視野が高いことで、SXは走りも楽しそうだが、どのような乗り味を狙っているのだろうか。大庭さんに聞いた。

「軽快で走りが本当に楽しいジクサーの魅力をアドベンチャーでも味わって欲しい、という想いで開発しました。油冷エンジンだからこそ可能になった、車体の軽さをぜひ体感していただきたいです。また、小ぶりですが、スクリーンはライダーの肩から下をしっかり風から守ってくれます。これも何度も作り直して、開発に苦労したパーツなんです」

画像3: 油冷ユニットの魅力である「軽さ」を堪能できる

SXはシャープでスポーティなスタイリングも魅力。ポイントを村松さんに聞いた。

「単気筒でヒラヒラと軽快に走る、操りやすそうなイメージを大切にしました。フロントからシュラウドまでは大きなパーツ構成となっていますが、センター部分をブラックとすることで、車体をスリムでコンパクトに見せるような工夫をしています」

油冷エンジンの魅力を存分に楽しめる、軽快でどこでも走って行けるVストローム250SX。最後に鈴木さんに、ライダーに向けたメッセージをいただいた。

「まずは軽さに驚いていただきたいですね。250だからといって一切妥協はしていません。油冷エンジンの魅力をぜひ楽しんでください」

まとめ:オートバイ編集部/写真:南 孝幸

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