まだ「メガスポーツ」という言葉さえなかった1990年、カワサキが発表した1台の大型ツアラーは、飛び抜けたその高性能ぶりで一躍脚光を浴びる。ZZ-R1100と名付けられたそのマシンは、市販車では夢の世界でしかなかった300km/hの世界に手をかけた、はじめてのマシンだったのだ。
まとめ:オートバイ編集部
まとめ:オートバイ編集部
カワサキ「ZZ-R1100(ZX-11)」特徴
最強最速マシンの座を欲しいままにした名車
1984年にデビューしたGPZ900Rは量産車で初めて250km/hを超える最高速をマークし、世界最速マシンとして人気を博したが、カワサキはこのニンジャ用のユニットの排気量を拡大しながらGPZ1000RX、ZX-10をリリースし「世界一の動力性能」を目指していく。その発展型として1990年に登場したのがZZ-R1100だ。
前モデルのZX-10をさらに発展させた新設計の1052ccユニットは、ラムエアシステムとの組み合わせで147PSを発揮。これを強固なアルミペリメターフレームに搭載し、ウインカーをビルトインした独特のエアロフォルムを持つボディは、Cd値0.29という驚異の空力性能を誇った。当時行われたテストでも290km/hの最高速をマーク、最強マシンの称号を得るとともに、後のメガスポーツブームの火付け役となったのである。