ホンダの「CBR1100XXスーパーブラックバード」やスズキ「GSX1300Rハヤブサ」の登場で、かつての最速マシン「ZZ-R1100」の存在感に陰りが出始めたのを受け、カワサキが次なる一手として送り込んだのがZX-12R。世界最速の称号を奪回する使命を帯びて誕生した、カワサキの意地の結晶である。
まとめ:オートバイ編集部
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カワサキ「Ninja ZX-12R」各部装備・ディテール解説

カワサキの航空機部門も協力したエアロフォルムを採用。ミラーも空気の流れを考慮した、独特の砲弾型を装着している。

モノコックフレームの採用で車体はこのクラスにしてはスリム。初期型のボディカラーはライムグリーン、レッド、シルバー。

1199ccエンジンは完全新設計。欧州仕様で178PS、日本にも導入されたマレーシア仕様では実に181PSを誇る強力なユニットだった。

モノコックフレームの上面はエアボックスも兼ねた構造で、エンジン後部のスペースにはバッテリーが収まる構造となっていた。

モノコックフレームのメインビームはエンジンの上に架かるバックボーン形式を採用。高剛性と車体のスリム化の両立を狙った設計となっていた。

走行風の整流を考慮して、フロントフェンダーは乱流を起こしにくい深型を採用。ブレーキキャリパーはトキコ製の6ポット。

スイングアームはガッチリしたアルミ製。前後ホイールは3本スポークのアルミキャストで、撮影車のタイヤはダンロップ製。

サイドカウルの下部にはウイング状のパーツを装備。これは航空機部門のノウハウから生まれた、走行風の乱流を抑える整流板。

初代は350km/hフルスケールだったが、翌2001年以降は299km/hリミッターが装着され、メーターも300km/hフルスケールに。

シートは広い座面を採用して着座位置の自由度も高かった。シングルシート風カバーはボディ同色。荷掛けフックも標準装備だった。
カワサキ「Ninja ZX-12R」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2080×725×1185mm |
ホイールベース | 1440mm |
最低地上高 | 120mm |
シート高 | 810mm |
乾燥重量 | 210kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1199cc |
ボア×ストローク | 83.0×55.4mm |
圧縮比 | 12.2 |
最高出力 | 178PS/9500rpm |
最大トルク | 13.6kgf・m/7500rpm |
燃料供給方式 | FI |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24° |
トレール量 | 107mm |
ブレーキ形式(前・後) | Φ320mmダブルディスク・Φ230mmシングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・200/50ZR17 |
まとめ:オートバイ編集部