文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
BMW「R 1300 GS」インプレ(宮崎敬一郎)
身軽でスリム、パワフルに生まれ変わった「絶対王者」
BMWのGSは、世界で最も売れ続けているアドベンチャー界の王様だ。今回1300となり、伝統のボクサーエンジンは9馬力アップの145馬力になった。ミッション配置、内部構造も見直され、格段にコンパクトに、そして6.5kgも軽く仕上がっている。
車体ではフレーム構成、フロントのテレレバーのレイアウト、構成を一新。車体そのものもコンパクトで、車重は前作の1250 GSに対して12kgも軽くなっている。
日本仕様は装備内容に応じた3つのグレードがあるが、今回試乗させてもらったのは最上級グレードとなる「ツーリング」。
ザックスのセミアクティブサスに組み込まれたアダプティブ車高調整機能はなかなか利口。30km/h以下で下がり、おおむね50km/h以上までにはアップする。それがいつ機能しているのかわからないほど作動もスムーズだ。しかも、走ると許容リーンアングルが深くなっているのに、停車時にはカカトがべったり着く状態に戻ってくれる。平均的な体格の日本人には安心材料になる。
ハンドリングはGS史上、もっとも身軽。軽量コンパクト路線に舵を切った車体造りが効いているのもあるが、何より低速域から力強いエンジンが生み出す機動力がフットワークも軽くしてくれている印象。6500回転以上回しているときの力量は強烈で、前モデルでは不可能な勢いで加速する。
レスポンスが心地よくリニアに応答するライディングモードは「ダイナミック」だが、乗り心地はかなり硬め。「ロード」にするとしっとりした乗り心地に変化してとても快適だ。しかも、荒れた路面でのスポーティなペースでの走りでは「ダイナミック」状態より跳ねが少ない分、コントロールもしやすかったりする。使い勝手がいい。この時のスロットルは穏やかにレスポンスするが、大きく開ければドカンっとパワーが乗る。これを上手く使えば、気楽に強烈な走りを楽しめる。
ACC(アクティブクルーズコントロール)とFCW(正面衝突警告)も便利。ACCは十分な性能だが、スポーツするときは加速状態で作動する衝突アラートと瞬間制動のFCWはオフにしておくのもいいだろう。
マニュアル設定でサスもパワーモードも任意に選べるので「自分だけのGS」を設定可能なのはこれまで通り。全てが身軽に扱いやすく、圧倒的にパワフルに進化したR1300GSは期待の新星だ。
BMW「R 1300 GS」カラーバリエーション
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