ホンダ「GB350」「GB350 S」は幅広いシチュエーションでライダーに喜びを提供する。そのために選ばれた空冷4ストロークSOHC単気筒エンジンは、多くの先進技術により、今までにない新しい魅力を作り込んでいる。

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ホンダ「GB350」「GB350 S」エンジン解説

楽しく扱いやすい動力性能を目指した

外観と出力特性がバイクの性格そのものとなるエンジン。GB350では力強くクリアな鼓動を生み出す源として、空冷、直立、単気筒という特徴を主軸に機能美を導き出すような外観を得ている。

スロットルボディからシリンダーヘッド、エキゾーストパイプ接続部を水平に配置し、吸気→燃焼→排気というエンジン機能の原点を想起させる。単気筒を強調するラウンド形状の空冷フィンは、放熱性を考慮しながら1枚ごとに形を変え、空冷ならではの立体感を獲得。シリンダーヘッド部のフィン端面には切削加工を施し、吸気から排気への流れを美しく表現した。

クランクケース上部に低く配置したスターターモーター配管など細部にも配慮し、カバーを廃したキャニスター、バランサーウエイトが置かれるクランクケース前部など補機類の配置も工夫してシリンダー前後にすっきりとした空間を設け、ロングストローク単気筒エンジンの存在感を引き立てる。

これらによって、GB350のエンジンは鼓動がライダーに与えるフィールまでも直感させる外観を実現している。

そのエンジンの狙いは、趣味のバイクとして、市街地での普段使いから長距離ツーリングまで幅広いシチュエーションで常にライダーが喜びを感じられること。空冷4ストロークSOHC単気筒の348ccで排気量を設定した。

ボアΦ70mm×ストローク90.5mmのロングストロークほかの数値設定で、3000rpm付近にトルクピークを設定して市街地でも力強さを楽しめる特性を獲得する。フライホイールは質量を大きくし、慣性マスによって1発ごとの粘りのある燃焼フィールを際立たせて乗り応えを感じやすくする。

これらのスペックを生かすように、ミッション(変速機)は5速ワイドレシオを採用。市街地の交通環境と調和しながらきびきび走れる4速までのレシオ、30km/hから高速巡航までの広い範囲を想定した5速と、低回転域からの息の長い加速を楽しめる設定とした。

日常の移動から長距離ツーリングまで、鼓動と対話しながらも急かされることなく、余裕と充実感のあるライディングを楽しめる。そんな出力特性が作り込まれている。

画像: エンジンで特に高温となる燃焼質周辺を冷やすため、シリンダーヘッド内の燃焼室上部全体を覆う範囲に、このイメージ図のようなオイル通路を設け、非採用時よりも燃焼室周辺の温度を約10%低減。ピストンの冷却と潤滑のためにピストン裏にオイルを噴射するピストンジェットや、本文に述べたような冷却フィンの設定などによって、高い空気密度を保った吸気による体積効率を向上。力強いトルクを低回転から高回転まで味わえるとともに燃費向上にも寄与する。

エンジンで特に高温となる燃焼質周辺を冷やすため、シリンダーヘッド内の燃焼室上部全体を覆う範囲に、このイメージ図のようなオイル通路を設け、非採用時よりも燃焼室周辺の温度を約10%低減。ピストンの冷却と潤滑のためにピストン裏にオイルを噴射するピストンジェットや、本文に述べたような冷却フィンの設定などによって、高い空気密度を保った吸気による体積効率を向上。力強いトルクを低回転から高回転まで味わえるとともに燃費向上にも寄与する。

画像1: ホンダ「GB350」「GB350 S」エンジン解説
画像: 燃焼によってエンジン内のピストンが押し下げられる。その時にピストンは後ろ方向に押され、ピストンとシリンダー内壁とに摺動抵抗が生まれる。これを低減させるために、シリンダーをクランク中心から前側にオフセット配置するオフセットシリンダーを採用した。下はそのイメージ図。同時に、ストローク量に応じた長さを持つコンロッド(下写真)とシリンダー下端内壁との干渉を避けるため、コンロッドを前後非対称として10mmのオフセット量を確保。これらによって燃焼エネルギーを最大限に生かし、良好な燃費も得られた。

燃焼によってエンジン内のピストンが押し下げられる。その時にピストンは後ろ方向に押され、ピストンとシリンダー内壁とに摺動抵抗が生まれる。これを低減させるために、シリンダーをクランク中心から前側にオフセット配置するオフセットシリンダーを採用した。下はそのイメージ図。同時に、ストローク量に応じた長さを持つコンロッド(下写真)とシリンダー下端内壁との干渉を避けるため、コンロッドを前後非対称として10mmのオフセット量を確保。これらによって燃焼エネルギーを最大限に生かし、良好な燃費も得られた。

画像: 燃焼エネルギーを心地良さや手応えとしてライダーへ伝える鼓動(味わい)と、往復回転部の慣性力に起因する不快な振動(雑味)。これを分けるため一次振動の抑制を目的としたバランサー軸に加え、シリンダー後方にあるメインシャフト上にウエイトを追加(特許出願中)。シリンダー前方にあるバランサー軸との位置と質量を調整することで、クランク軸とバランサー軸が別のために起こる偶力振動もキャンセルさせた。

燃焼エネルギーを心地良さや手応えとしてライダーへ伝える鼓動(味わい)と、往復回転部の慣性力に起因する不快な振動(雑味)。これを分けるため一次振動の抑制を目的としたバランサー軸に加え、シリンダー後方にあるメインシャフト上にウエイトを追加(特許出願中)。シリンダー前方にあるバランサー軸との位置と質量を調整することで、クランク軸とバランサー軸が別のために起こる偶力振動もキャンセルさせた。

画像: エンジン全高が高い上に最低地上高の確保も必要なロングストロークエンジン。その限られたスペースの中で、オイル容量の確保とクランクシャフトのオイル攪拌抵抗低減の両立を狙い、クランクケースのクランク室とミッション室の間に隔壁を設けた密閉式クランクケースを採用。この隔壁に設けたリードバルブがピストン上下によるクランク室の圧力変動にともなって開閉することで、潤滑を終えたオイルをミッション室に排出し、フリクション低減と燃費向上を狙う。

エンジン全高が高い上に最低地上高の確保も必要なロングストロークエンジン。その限られたスペースの中で、オイル容量の確保とクランクシャフトのオイル攪拌抵抗低減の両立を狙い、クランクケースのクランク室とミッション室の間に隔壁を設けた密閉式クランクケースを採用。この隔壁に設けたリードバルブがピストン上下によるクランク室の圧力変動にともなって開閉することで、潤滑を終えたオイルをミッション室に排出し、フリクション低減と燃費向上を狙う。

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