カスタムブームの少し前、1980年代終盤から火がつき始めたカワサキZの人気。多くの車両を販売し、走らせるためのリプロパーツを多く作り、カスタムパーツも手がけと、Zとともに進んできたドレミコレクション。Zの外観を後の市販車にほぼそのまま投影する着せ替え=コスプレを世に広め、さらにZのパーツもリニューアルと、歩みを止めない。
※本企画はHeritage&Legends 2023年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

純正同等以上を意識したからこそ、どれも決まる

ドレミコレクションはZに再度の注目が集まり出す当時の1987年に武 浩さんが創業した。’88年にはZ1の中古車輸入販売を始め、2000台を優に超える車両を販売した。ただ、純正パーツは年が経てば欠品が進む。車両は修理ができなくなり、いずれは走らせられなくなる。そこで武さんは状況の打開を考え、純正リプロパーツの製造に着手する。

純正と同じ形なだけでなく、同等以上の質を持つこと。小さな消耗品から4本出しマフラーのような大物、カスタム用も含めた多くのパーツが展開され、多くのZが蘇って走り続けられるようになり、Zはカスタムブームとともに改めて世に受け入れられた。

画像: ▲ドレミ代表・武さんは「Zは産業遺産と言うべきもので、その歴史的価値はノーマルに紐付いている。どんどん乗ってほしい」とも言う。写真は新作パーツの一例で「New Z1/Z2 4本エキゾーストマフラー」で純正リプレイス品の最新仕様として内部パーツやめっきの質などをより高めた。

▲ドレミ代表・武さんは「Zは産業遺産と言うべきもので、その歴史的価値はノーマルに紐付いている。どんどん乗ってほしい」とも言う。写真は新作パーツの一例で「New Z1/Z2 4本エキゾーストマフラー」で純正リプレイス品の最新仕様として内部パーツやめっきの質などをより高めた。

その後ゼファーシリーズが登場すると、ドレミでもパーツを思案していた。ちょうど当時店頭では、車両事情が悪化したZを補うべく立ち上げたエヴォリューションオーダーモデル Z1(細かい部分にまで手を入れ、新品/再生パーツで仕立てたコンプリートZ。現在は受付中止)を並べていた。だが、訪れるお客さんの多くがそれに気がつかず“Z2はないですか?”と聞いてくる。普通の人の多くはZ1は聞いているけど知らないバイク。そして憧れなのはZ2=“ゼッツー”。そうか、「Z2」はそのまま格好いいバイク、ほしいバイクのことを言っているのだ。武さんはそう捉え、ならばゼファーにはこの格好いいルックスを足せばいいと、Z2タイプの燃料タンクを’98年に製作、“Z2 Style”外装キットも’06年に発売する。

それまでには考えられなかった外装コンバートキット。これを買って付ければ、それだけでゼファーが格好いいバイク=Z2のルックスになる。ベースは現行車。気軽さはそのままに、憧れのゼッツーを走らせる気分になれる。

燃料タンクは純正に同じスチール製で車検にも対応。サイドカバーにテールカウルも同様にABS樹脂製で、そのまま載せ替えられるように取付ボルト穴やマウントボス(突起)も合わせた。モチーフとのサイズの違いもうまく落とし込み、シートは滑りにくい表皮でバイクとの一体感と操作性を高め、疲れにくくなるようにした。ドレミ製パーツに因るアクシデントが起こらないように、カワサキに迷惑がかかるようなパーツ作りはしないという配慮でもあった。

画像: ▲最新モデルのZ900RSでも「Z900RSスチール製インナータンク」を装着した上で外装カバーセットを使うことでさまざまな外観の雰囲気を楽しめる。

▲最新モデルのZ900RSでも「Z900RSスチール製インナータンク」を装着した上で外装カバーセットを使うことでさまざまな外観の雰囲気を楽しめる。

’17年にはホンダCB1100をCB1100Rルックにする“TypeR”を展開。同年秋の東京モーターショーでは、Z900RSを発表したカワサキブースで同時にドレミ製“Z1 Style”が展示され、それは外観をより洗練した上で’21年に市販に移された。’22年には角タンクの“ローソンスタイル”、GPZ900Rスタイルの“ニンジャスタイル”が。さらに誰もが一度は乗ったことがあるだろうCB400SFを、これも憧れのCBX400Fスタイルにする“TYPE-X”もと、ラインナップは次々増えている。

コスプレで名車の形を多くの人に。同時に、武さんはドレミの基軸となったZのことも考えていた。登場50周年の節目。早くから展開した純正リプレイスのZ1/Z2 4本エキゾーストマフラーは内部パーツやめっきの質を高める。シートもあえて初期型当時の座り感まで再現した新作を用意した。原点はZ。コスプレも、Zの隅々や背景までも知り、考え抜いたからこその作りが人気の元だった。こうして多面的にバイクの楽しみを広げてくれたドレミコレクション。まだ見ぬ新しい提案にも、そんな原点が生きてくるのだろう。

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憧れの名車の形を純正同様に付けられるコスプレ・カスタムを提案

CB400SF“TYPE-X”

画像1: Zで育ち、パーツを作り、その外観もコスプレで広く気軽に楽しませる|ドレミコレクション【Heritage&Legends】
最新作となるCB400SF“TYPE-X”。写真の「NC39後期〜NC42」と、「NC39前期」を展開中で、外装セットの価格33万円にオーダー時に「TYPE-X同色フロントフェンダー付き外装セット塗装料金」(11万円)を依頼すればこのようなCBX400F純正パターン塗装での外装となる。車両詳細はこちらのザ・グッドルッキンバイクページをチェック!

CB1100“Type R”

画像2: Zで育ち、パーツを作り、その外観もコスプレで広く気軽に楽しませる|ドレミコレクション【Heritage&Legends】
CB1100(写真は17インチのCB1100RSベース)をCB1100RルックとするCB1100“Type R”(ベーシックフルパッケージ54万7800円、塗装済みセット82万2800円)。車両詳細はこちらのザ・グッドルッキンバイクページをチェック!

Z900RS“Ninja Style”

画像3: Zで育ち、パーツを作り、その外観もコスプレで広く気軽に楽しませる|ドレミコレクション【Heritage&Legends】
専用のスチールインナータンクにFRP樹脂製のタンクカバー、ステーなどをセット(無塗装、44万円)にしたニンジャスタイル。車両詳細はこちらのザ・グッドルッキンバイクページをチェック!

Z900RS“Lawson Style”

画像4: Zで育ち、パーツを作り、その外観もコスプレで広く気軽に楽しませる|ドレミコレクション【Heritage&Legends】
専用スチールタンクほか(無塗装、41万8000円)で角タンクのZ1000Rルックにする“ローソンスタイル”の装着例。車両詳細はこちらのザ・グッドルッキンバイクページをチェック!

Z900RS“Z1 Style”

画像5: Zで育ち、パーツを作り、その外観もコスプレで広く気軽に楽しませる|ドレミコレクション【Heritage&Legends】
画像6: Zで育ち、パーツを作り、その外観もコスプレで広く気軽に楽しませる|ドレミコレクション【Heritage&Legends】
本文で紹介した「Z900RSスチール製インナータンク」を装着した上で「Z900RS Z1 Style外装カバーセット」(「火の玉」、17万500円。他塗装済み同価格、無塗装は8万7780円)を使うことでZ1の雰囲気を楽しめる。下の装着例ではドレミ製4本出しマフラーやワイヤスポークホイール、フェイクツインショックも装備し、雰囲気を高めている。詳しくはこちらをチェック!

ZEPHYR1100“Z2 Style”

画像7: Zで育ち、パーツを作り、その外観もコスプレで広く気軽に楽しませる|ドレミコレクション【Heritage&Legends】
2010年にゼファー1100用に開発され、現在も販売される「ゼファー1100 Z2タイプスチールタンクセット」。ペイントベースが14万800円、他各色あり、21万6700〜23万3200円。装着例ではZ2タイプ4本エキゾーストマフラーなども装着する。車両詳細はこちらのザ・グッドルッキンバイクページをチェック!

取材協力:ドレミコレクション

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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