まとめ:オートバイ編集部
カワサキ「水素エンジン二輪車」特徴

Kawasaki
水素エンジン二輪車
クリーンな環境と走りの楽しさを両立する未来へ
2023年12月にカワサキが開催した「グループビジョン2030・進捗報告会」で発表されたのが、水素エンジンを搭載する大型スポーツバイクの開発。2022年にもそのコンセプトは発表されていたが、今回はそれがより具体的に進化したものと言える。
今回公開されたのは走行可能な実車。ベースとなっているのは最高峰ツアラーのニンジャH2 SX。搭載されるエンジンはH2をルーツとする、スーパーチャージャー搭載のDOHC4気筒エンジンがベースで、これに水素を噴射する専用インジェクターを組み合わせた専用ユニットだ。
カワサキは2024年から今回公表したこの車両で実走実験を開始するとのこと。クリーンな環境と内燃機関エンジンならではの楽しさの両立に向けたカワサキの取り組みに、これからも注目したいところだ。
グループビジョン2030・進捗報告会(2023年12月12日)
www.youtube.comカワサキ「水素エンジン二輪車」注目ポイント

変形してロボットにでもなりそうな、近未来的なスタイリングが特徴。後部の大きなパニアケースには液化水素のタンクが収まる。

水素燃料を使用するメリットのひとつが、既存のガソリンエンジンをベースにできること。カワサキはH2用ユニットで実験を開始する。

998cc4気筒にスーパーチャージャーを装備するのはH2同様。1月のダカールラリーを戦うバギーにもこの過給ユニットが搭載される。

液体であるガソリンとは異なり、水素という気体を噴射するため、インジェクターや噴射制御技術には独自のものが使用される。

マフラーはH2 SXのものをそのまま採用しているように見受けられるが、サイレンサーのエンドピースは水素イメージのブルーに。

メーターやスイッチ類はベースであるニンジャH2 SXのものがそのまま採用されているが、スイッチ類は全て無地のまま。

ニンジャH2 SXの面影を残したフロントマスクだが、LEDヘッドライトは水素をイメージした「H」型デザインとされる。

万一の転倒の際でも安全を確保するため、液化水素タンクは堅牢なケースに守られる。注入口はパニアケース内中央にマウント。

走行テストも可能な実際のバイクであることを示すため、プロジェクトの説明中にはこのように車両にまたがるシーンも公開された。
「水素H2」は2022年にも公開されていた

2022年のEICMAでカワサキが公開した水素エンジンを積むスポーツツアラーコンセプトがこちら。今回のマシン同様、ニンジャH2 SXがベースではあるが、こちらはイメージスタディのためガソリンエンジン車に近いスタイル。

水素燃料は左右のパニアケースの内部に小型のボトルを多数搭載する、という設定だった。
まとめ:オートバイ編集部