モンスターエンジンを搭載した怪物バイクの2台を比較していくっ!
文:ノア セレン、横田和彦/写真:南 孝幸

Z H2 SE VS ロケット 3 GT|各部装備・使い勝手チェック

装備内容と使い勝手を検証

画像: 「ロケット3の全幅はミラーを含めると1125mmもあるよ!」

「ロケット3の全幅はミラーを含めると1125mmもあるよ!」

どちらも200万円オーバーの高級バイクだけに、装備品は至れり尽くせりの豪華絢爛。細部まで作り込まれた究極の装備品を詳しく紹介しよう。


ハンドル幅&ミラー込み全幅

ポジションはぜんぜん違うぞ!

ロケット3はハンドル幅もモンスター級だが、ライダー側に引かれているため不自然感はない。Z H2は一般的なネイキッドレベル。違和感なく、車体を制御しやすい。ここで2人の意見が一致したのがバーエンドミラー問題。必要以上に幅広になることや視線を大きく動かさないと後方確認できないことなどが気になる。2人とも感覚が古いからかねぇ。

Z H2 SE

画像: ハンドル幅:710mm ミラー込:910mm

ハンドル幅:710mm ミラー込:910mm

ROCKET 3 GT CHROME EDITION

画像: ハンドル幅:850mm ミラー込:1125mm

ハンドル幅:850mm ミラー込:1125mm

並べて比較

画像: Z H2 SE

Z H2 SE

画像: ROCKET 3 GT CHROME EDITION

ROCKET 3 GT CHROME EDITION


メーター

両車とも液晶だけど見え方は違う

中心の丸い液晶に針式のメーターを再現したロケット3は表示を2種類に変えることができる。左右外側の液晶にライディングモードやガソリン量などが表示され、繊細な表示が美しい。今どきのバイクらしいスクエアの液晶を採用したZ H2は、ライディングモードなどすべてここでコントロール。機能性は高く表示もキレイで見やすいが、やや没個性か。

Z H2 SE

画像1: Z H2 SE VS ロケット 3 GT|各部装備・使い勝手チェック

ROCKET 3 GT CHROME EDITION

画像2: Z H2 SE VS ロケット 3 GT|各部装備・使い勝手チェック

フロントサスペンション調整機能

フォークの調整方法も異なる

ロケット3に装備されたSHOWA製倒立フォークは、コンプレッションおよびリバウント調整が可能。リアショックには油圧式リモートプリロードアジャスターが付くが調整はマニュアル式。Z H2は路面や走行状況にあわせてリアルタイムに適応し、理想的な減衰力となる電子制御サスペンションを搭載。ライディングモードにあわせて自動的に適切な設定になる。

Z H2 SE

画像3: 【比較インプレ】カワサキ「Z H2 SE」VSトライアンフ「ロケット 3 GT」|ツーリング適性・使い勝手を徹底チェック|前編
画像4: 【比較インプレ】カワサキ「Z H2 SE」VSトライアンフ「ロケット 3 GT」|ツーリング適性・使い勝手を徹底チェック|前編

ROCKET 3 GT CHROME EDITION

画像5: 【比較インプレ】カワサキ「Z H2 SE」VSトライアンフ「ロケット 3 GT」|ツーリング適性・使い勝手を徹底チェック|前編
画像6: 【比較インプレ】カワサキ「Z H2 SE」VSトライアンフ「ロケット 3 GT」|ツーリング適性・使い勝手を徹底チェック|前編

シート

ライダーと接するシートは重要

とにかくデカく、いろいろと規格外の部分が多いロケット3だが、ライダーが座る位置は低く、幅も絞り込まれているため腰回りの落ち着きは良い。ドシッとして肝が座ったようなポジションは、モンスターと対峙する気になる。Z H2のシートはスポーツバイクのようなセパレートタイプ。ライダーが動きやすいため、積極的にコントロールすることができる。

Z H2 SE

画像3: Z H2 SE VS ロケット 3 GT|各部装備・使い勝手チェック

ROCKET 3 GT CHROME EDITION

画像4: Z H2 SE VS ロケット 3 GT|各部装備・使い勝手チェック

フロントマスク

コワモテで個性的な顔は圧が強い!

両車ともモンスターらしい個性を放つデザインだ。バックミラーに映ったらドキドキしてしまう。とくにロケット3は全体のデカさもあって注目度が抜群に高く、一般の人が見ても「スゴイ乗り物があるぞ」と思わせる迫力がある。一方、Z H2は甲高い過給機サウンドが混ざった独特の排気音がタダモノじゃない感をビンビンに伝えてくる。どっちもたまらないぜっ!

画像5: Z H2 SE VS ロケット 3 GT|各部装備・使い勝手チェック

フロント足まわり

すべてが独特のロケット3に対して、スポーツバイクのセオリーに準ずるZ H2

こうして並べると同じ17インチホイールとは思えないほど遠近感がおかしいが、それはロケット3が装着する150/80R17というタイヤのせいだ。感覚としてはジャイロの大きい18インチホイールのような感じで、さらに太いタイヤ幅のおかげで巨体をしっかりと支えてくれる。

画像1: ROCKET 3 GT CHROME EDITION(左)とZ H2 SE

ROCKET 3 GT CHROME EDITION(左)とZ H2 SE

キャスターやトレールはかなり安定方向の数値だが、アクスル部がフォーク先端から後ろにオフセットされるなど独特の発想が盛り込まれ、意外とスポーティにも走らせられるのだ。Z H2の方は対照的に極めて普通。電子制御サスも備え、低速の快適さからハードなブレーキングまで素直なスポーツ性を提供してくれる。


リア足まわり

意外と普通に走るロケット3に対して、すこぶる快適な電子制御サスのZ H2

ロケット3にはスポーツクルーザーに採用されることが多い240幅のリアタイヤを装着。16インチというところがユニークで、その分ハイトは60扁平としたことで快適性も確保している。銘柄は前後エイボンのコブラクロームで、トレッド面にはヘビのウロコやコブラの頭がデザインされている。縦置きエンジンらしく駆動はシャフトドライブで、アクセルを開けるとリアが持ち上がる感覚は確かにあるが、車体が長いのであまり気にならない。Z H2はオーソドックスな両持ちスイングアームに190幅タイヤだが、国産では珍しい55扁平を採用。電子制御サスと共にパワーをしなやかに受け止めてくれる。

画像2: ROCKET 3 GT CHROME EDITION(左)とZ H2 SE

ROCKET 3 GT CHROME EDITION(左)とZ H2 SE

文:ノア セレン、横田和彦/写真:南 孝幸

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