華々しいニューモデルたちが登場する裏で、こっそりと『実はけっこう進化していた』というVストローム1050キャストホイール仕様。オンロード重視を謳う、その実力は?

Vストローム1050の『パワー感』もさることながら……

2023年にVストローム1050DEが発売されたのと同時に、大きく仕様変更を受けたキャストホイール仕様のVストローム1050(2023)も発売。

とはいえ、ちょっと新型バイクたちの影に隠れてしまった感がありました。

ところが実際に乗ってみたところ、走り出した途端に『え? 前と全然違うんだけどっ!?』という“強烈パワーの洗礼”を受けることになった、というのがここまでのお話です。

そこからVストローム1050(2023)の情報を改めて洗ってみたのですが、なんとも情報が少ない……1050DEに関してはザクザク出てくるのに……

ちなみに、なぜ躍起になって情報を掘り返しているかというと、2023年に新しくなったVストローム1050の進化がエンジンだけじゃないように思えているからです。

2023モデルで6軸のIMU(慣性計測装置)がキャストホイール仕様のVストローム1050にも新採用されているので、仮にですが「最新の電子制御をフル装備する過程でフューエルインジェクションのセッティングも見直された」というのは十分にありえる話。

それに各ギアのギア比と2次減速比が変更されているんだから、パワー特性に変化があるのは必然。

なのでVストローム1050が2023モデルで(前編で言った)エグい加速力を新たに身に着けていても、まぁ理解できるんです。

画像1: Vストローム1050の『パワー感』もさることながら……

だけど私(北岡)が、進化したVストローム1050において『パワー感以上に気に入ったポイント』は、実を言うとコーナリング中の安定感だったのが困りどころ。

先の【前編】でも言いましたが季節は真冬。1月下旬です。路面も冷えきっていて、タイヤなんてロクに温まらない。

それなのに、ですよ?

画像2: Vストローム1050の『パワー感』もさることながら……

なんだかこう……コーナーひとつ目からグイッといける……

冷えた路面にも関わらず、前後タイヤが路面に張り付くような安心感を感じるんです。その感覚は名車『Vストローム650/XT』に通ずる鉄壁の安定感にかなり近い。

え?

でもフレームは変わってないはずだし……タイヤも従来型から変わってない。なんで!?

画像3: Vストローム1050の『パワー感』もさることながら……

リア側の接地感もさることながら、特にフロントの接地感が良くなってる。従来型は軽快さの印象が強かったんですけど、現行車は『前輪を頼れる』という感じ。

個人的には、現行型のフィーリングのほうがかなり好き。転ぶ気がしない、というと言い過ぎなのかもしれませんが、そういう気持ちになります。

でも……目で見る限りでは前と同じフロントフォーク……これは困った!? 理由がわからん!

画像4: Vストローム1050の『パワー感』もさることながら……

この謎の進化については、本当に三日三晩ほど悩みました。サクッと電話してスズキさんに聞けば? と思うかもしれませんが、多忙なエンジニアさんにご回答を頂くのって、実は意外と簡単ではないのです……

でも、過去の取材内容をひっくり返して『たぶんこれ!』というものを見つけました!

Vストロームミーティング2022の時のことです。

あの時、私(北岡)はVストローム1050DEのチーフエンジニアさんに直接インタビューさせて頂いているんですが、上の関連記事でチーフエンジニアさんがこう言ってるんです。

画像2: え!? キャストホイールの『Vストローム1050』が『Vストローム650』みたいな“鉄壁の安定感”を手に入れてる? でもその理由が見当たらない…… 【SUZUKI V-STROM1050(2023) 試乗インプレ・レビュー 中編】

この『サスペンション自体の性能がどんどん良くなって、進化しています。私も開発段階で乗ってビックリしたくらいです』という部分。

これ厳密に言うと『私も開発段階で乗って(従来型と同じサスだと思えないほど)ビックリした、という内容だったんです。

この話は1050DEの取材の時の話ですが、現行型Vストローム1050も同様に同じサスペンションだけど中身は進化バージョンになってると考えて良いかと。

画像5: Vストローム1050の『パワー感』もさることながら……

そして、その結果としてSDMS(スズキドライブモードセレクター)を容赦無しのフルパワーAモードにセットして峠のコーナーに飛び込んでいっても怖くない。立ち上がりでアクセルだって開けていける!?

でもパワーがものすごい!!!

現行型Vストローム1050は、新しく手に入れた強烈パワーに負けないため、タイヤの性能をきちんと引き出すことができるサスペンションを同時に手に入れた。そう言えると思っています。

画像6: Vストローム1050の『パワー感』もさることながら……

それはまるで、鉄壁の安定感を誇る『Vストローム650』の車体に、最高出力106馬力の強烈エンジンを載せてしまったかのような感覚。扱いやすいくせいに、走りがエグい(笑)。

なんだこれ……聞いてないぞ、こんなに進化してるなんて。

とにかく確実に言えることをひとつだけ!

(下に続きます)

とにかく現行型Vストローム1050は、

ワインディング戦闘力が爆上がりだ!

真面目な話、Vストローム650のオーナーさんが乗ったら戦慄すると思う。クイックシフターがついて走りが楽しくなる? そんなレベルに収まってないって(汗)

正直、オンロード特化型なら新型の『Vストローム800』が抜群に優れていると思っていたのに、早速ひっくり返された気分。これならVストローム800をパワーでねじ伏せるくらいの芸当は朝飯前かもしれません。

うわぁ……またこれ、スズキにヤバいやつが増えちゃたナァ……!?

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新型『Vストローム800』の記事もあります!

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