のんびり走る時は乗り心地も抜群にいい!
最新の電子制御をフル装備して2023年にリニューアルされたキャストホイール仕様のVストローム1050。
見た目があまり変わってないところもあり、軽くナメていました。だけど実際は……
まずパワー感がすさまじくて……これは特にSDMS(スズキドライブモードセレクター)をフルパワーAモードにした時の話ですが、低いギアでの加速は軽く引くレベルの力強さになっています。そのうえで峠のコーナーでは抜群の安定感を手に入れてる。
従来型からもともとVストローム1050は『アドベンチャーバイクの形をしたオンロードスポーツ』という印象だったけど、その個性が圧倒的に強化されていました。
そして、先の【中編】でお話したことに補足をしておくと、Vストローム1050(2023)はバイクを寝かせている最中にギャップを踏んでも、微動だにしません。大きめのギャップを踏んで素早く収束する。
前後サスペンションが的確に、細やかに動いて、優しくライダーを護ってくれている感じです。
そして、そんな足周りのセッティングですからね……
ツーリングシーンでふんわり流す時は乗り心地が極上。乗り心地にカタさを感じることは一切ありません。
サスペンションの初期の動きが良い、という感じで本当に快適なクルージングが楽しめます。
ただ、一般道のツーリングシーンではドライブモードをフルパワーA(アクティブ)にしていると、とにかくバイクが走りたがるのでそこだけ要注意(笑)
そういう時は大人しくドライブモードをB(ベーシック)にしていました。電子制御バンザイ。ちなみに従来型よりも、ドライブモードA・B・Cで走りのキャラは大きく変動します。このあたりにも制御技術の進化を感じました。
そして正直に言ってしまうと、一般道クルージングではC(コンフォート)モードくらいのほうが心穏やかに走れる気がしています。リッタークラスの排気量はCモードでも余裕を失わないし、なんならVツインエンジンの味わいに浸ることもできます。
そして、現行モデルで行われたギア比の変更はツーリングでも効果絶大! 一般道ペースでやんわり走る時にも心地よく走れる特性を得ています。
ちなみに一般論として、スズキに限らずメーカーさんは安易にギア比を低速型にはしません。その理由は、どうしたって燃費性能が落ちるから。
だけどスズキは『走りの楽しさを優先』してきた。流石というか……これは本気で英断です。
高速道路はBモードがお気に入り
ところでドライブモードのBですが、私、高速道路の上ではずっとこれでした。
俊敏さと快適さがうまくバランスしてる。必要な時にはきちんと加速してくれるし、アクセル一定ではギクシャクしない。
そのうえで新装備クルーズコントロールを起動すれば、陳腐な言い回しですが『どこまでも走れる』としか言いようがありません。乗り心地は一般道と同じく、極上のままだし。
あと、Vストローム1050は工具を使わず、お手軽にウインドスクリーンの高さが調整できるので、そこも長距離走行では強みになっています。
余談ですが、私は個人的にウインドスクリーンの高さは『見た目的な問題として』低い位置の方が好きなんです。そのほうがバイクがカッコよく見えると個人的に信じています。
だから、高速道路を走る時だけ、しれっとラクができる調整機構はけっこう好き(笑) 普段はスタイル重視でいられる、というのは地味に高得点ポイントだったりするんです。
それにしても、ワインディングでは『安心感』と『豪快』が完璧レベルで融合したような無双感を感じたというのに、のんびり走る時まで完璧に快適とか。なんかこのバイク、ズルい気がしてきた。
だって仮にこれに乗って、私がバイク仲間とツーリング行ったとしたらですよ?
高速道路の長距離移動シーンでは……
『オマエ……タフだな……』
って言われるのは確定。本当はバイクに助けてもらってるんだけど。
で、ワインディングに入ったら?
『オマエ……速ぇな……』
とか言われるに決まってる。別にがんばってる訳でもないのに(笑)
ていうかバイクが上手い人が乗ったら、峠のVストローム1050はとんでもない戦闘機になりますからね?
私レベルが普通に乗っていてもそうなるんだから、これはもうズルいとしか言いようがありません。
(下に続きます)
これはね……アレだ。パワードスーツみたいなもんです。
装着(乗車)したら、それだけでスーパーライダーに変身。操縦者(ライダー)に技量があればそれに応えてくれて、私のような普通の人も1秒でバイク超人になれる。
さらには、Vストローム1050の武骨&質実剛健スタイルも手伝って、乗るだけで即『漢のバイク乗り』が一丁上がり!
いいか、みんな聞いてくれ。
コイツはな?
乗るだけで、一気に強くなれるバイクだぞ!