スズキが誇るリッタースポーツ、GSX-S1000シリーズに加わったクロスオーバーツアラー「GSX-S1000GX」がついに日本の道でデビューを果たした。スズキ初の電子制御サスペンションがもたらすしなやかな乗り味で、新たな走りの世界を創り出すプレミアムツアラーだ!
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
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スズキ「GSX-S1000GX」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: SUZUKI GSX-S1000GX 2024年モデル 総排気量:998cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:830mm 車両重量:232kg 発売日:2024年1月25日 税込価格:199万1000円

SUZUKI GSX-S1000GX
2024年モデル

総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:830mm
車両重量:232kg

発売日:2024年1月25日
税込価格:199万1000円

快適なツアラーにもスポーティにも変身できる

GSX-S1000GXはGSX-Sファミリーに加わったクロスオーバーモデルだ。大別すれば、ジャンルとしては2022年に登場したGSX-S1000GTと同じ「ツーリングスポーツ」だが、その差は明確。多くのパーツが専用設計され、骨格などのベースを同じくするバイクとは思えない姿に変身している。

最大の違いは150mmと長めのホイールトラベルを獲得した電子制御サス「S.A.E.S.」の採用。その設定プログラムも念入りで、悪路対応からピッチング抑制、アンチダイブ能力など、走行状況に幅広く対応する。さらに搭載荷重に合わせてプリロードも自動やマニュアルで設定可能だ。

これはライディングモードである「SDMS-α」とも連動しており、3種のパワーモードを基本にデフォルトのサス、トラコン設定セットが3種。そのデフォルト設定からサスモードを3種+微調整など、メーター上で簡単なセレクトで選ぶことができる。欧州メーカーのツーリングモデルなどでは一般的なセレクト方法で、これほど便利なものはない。何しろ、このGXはスポーツネイキッドを脅かすペースでスポーツできて、微睡(まどろ)むような快適さで田舎道も流せるバイクなのだ。

画像1: スズキ「GSX-S1000GX」インプレ(宮崎敬一郎)

エンジンはアドベンチャー系にしては強力な150PS。SDMSを最も敏感なレスポンスになる「A」にして峠道を走れば、GXはこの姿からは予想もできないスプリンターになる。8000~1万回転あたりをキープすれば、とにかく速い。

ただし、デフォルトのサスモード「H」のままだと、とにかく硬い。これは良路専用と思った方がいい。2、3速で高回転まで回すと、立ち上がりはもちろん、コーナリング中でもギャップなどをきっかけにパワーリフトしようとする。GXはそんなことまでできるロードアドベンチャーだというのがウリだ。でも、本領はそこじゃない。

画像2: スズキ「GSX-S1000GX」インプレ(宮崎敬一郎)

推奨したいSDMSのモードは、丁寧に操れるなら、敏感なレスポンスの「A」でも、自然で気楽なピックアップの「B」でもいい。ただし、サスはミディアムの「M」またはソフトの「S」に設定することを薦める。特に「S」モードの乗り心地はすばらしく、ほとんどの衝撃の角が丸く伝わる。悪路でも快適な上にスポーツランにも対応する。さすがセミアクティブサスだ。

良路のハイペース用「H」より「M」や「S」の方が幅広い路面状況に対し、良好なスタビリティを発揮することが多かったりした。

それが、このGXが最も得意とするワイドレンジのツーリングを快適にするための前知識。普通に遭遇する良路から荒れ気味の舗装路面の道を快適に、イージーに踏破する。

GXはオンオフアドベンチャーたちに比べば、快適走破レンジはオンロード側に寄りがちである。オフなんてほぼ行かない、というライダーならかなり魅力的だ。一般的なツーリングスポーツ…例えば兄弟モデルのGTに比べれば、GTの守備範囲の中でも少し低めの速度レンジが得意で、そこで圧倒的に広い走破エリアを持っている。そして、いざとなれば、快適なまま「駿足の暴れん坊」にもなれるのがGXの魅力なのだ。

スズキ「GSX-S1000GX」カラーバリエーション

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    トリトンブルーメタリック
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    パールマットシャドーグリーン
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    グラススパークルブラック
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    トリトンブルーメタリック
    43
    134
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    パールマットシャドーグリーン
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    グラススパークルブラック
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