時はレーサーレプリカブーム真っ只中の1987年。ヤマハが発売したブランニューモデルは、今まで誰も見たことがない一台だった。ハイパワーでもない、高剛性フレームでもないウルトラライトスプリンターだった。
文:中村浩史/写真:松川 忍、南孝幸

ヤマハ「SDR」各部装備・ディテール解説

画像: エンジンはモトクロッサーYZやDT200Rにも使用されたケースリードバルブ吸入の水冷2スト単気筒で、コンパクトな車体サイズに管長を収められるよう、トグロを巻いたレイアウトのチャンバーを採用。

エンジンはモトクロッサーYZやDT200Rにも使用されたケースリードバルブ吸入の水冷2スト単気筒で、コンパクトな車体サイズに管長を収められるよう、トグロを巻いたレイアウトのチャンバーを採用。

画像: YZ系のケースリードバルブ吸入単気筒エンジン。俊敏なスロットルレスポンスを狙ってフラットバルブキャブを採用。デビュー時には0→200mが8秒8、ゼロヨン14秒2、最高速は150km/hと発表された。

YZ系のケースリードバルブ吸入単気筒エンジン。俊敏なスロットルレスポンスを狙ってフラットバルブキャブを採用。デビュー時には0→200mが8秒8、ゼロヨン14秒2、最高速は150km/hと発表された。

画像: スタイリングのアクセントにもなっている、エンジン前部のトグロを巻くチャンバー。か細いだけでなく、このチャンバーのように一か所にボリュームを持たせたところにデザインの妙がある。

スタイリングのアクセントにもなっている、エンジン前部のトグロを巻くチャンバー。か細いだけでなく、このチャンバーのように一か所にボリュームを持たせたところにデザインの妙がある。

画像: サイレンサーと一体成型のチャンバーは、スチールボディのブラック仕上げ。2ストらしい排気音というよりは、おとなしめのサウンドが印象的で、2ストらしいマフラー出口のオイル汚れも少ない。

サイレンサーと一体成型のチャンバーは、スチールボディのブラック仕上げ。2ストらしい排気音というよりは、おとなしめのサウンドが印象的で、2ストらしいマフラー出口のオイル汚れも少ない。

画像: 華奢なトラスフレームに見えて、タンクレールを上下2本として、その間隔を桁組でつなぐ、デルタボックスフレームのレイアウトから肉抜きをしたような形状。

華奢なトラスフレームに見えて、タンクレールを上下2本として、その間隔を桁組でつなぐ、デルタボックスフレームのレイアウトから肉抜きをしたような形状。

画像: 視覚的にも軽量をアピールする、この頃のヤマハ車の定番、中空3本スポークのキャストホイール。1ピストンに見えるキャリパーは対向2ピストンで制動力は充分。タイヤサイズは90サイズ80偏平の17インチで、このタイヤの細さもハンドリングを軽快にした。

視覚的にも軽量をアピールする、この頃のヤマハ車の定番、中空3本スポークのキャストホイール。1ピストンに見えるキャリパーは対向2ピストンで制動力は充分。タイヤサイズは90サイズ80偏平の17インチで、このタイヤの細さもハンドリングを軽快にした。

画像: フレームと同じく、レイアウト的にはデルタボックス構造から肉抜きをしたようなスチール製スイングアーム。リアサスはリンク式モノサスでプリロードのみ調整可能。一人乗り専用、よく動くサスだ。

フレームと同じく、レイアウト的にはデルタボックス構造から肉抜きをしたようなスチール製スイングアーム。リアサスはリンク式モノサスでプリロードのみ調整可能。一人乗り専用、よく動くサスだ。

画像: 丸目ヘッドライト、パイプ式ライトステー、セパレートハンドルの表情がSDR独特の表情と、カフェレーサー感も漂わせる。正立フォークのインナーチューブ径はΦ33mmで、正立でこのサイズというチョイスも、車体の軽量さにひと役買っている。

丸目ヘッドライト、パイプ式ライトステー、セパレートハンドルの表情がSDR独特の表情と、カフェレーサー感も漂わせる。正立フォークのインナーチューブ径はΦ33mmで、正立でこのサイズというチョイスも、車体の軽量さにひと役買っている。

画像: メーターも割り切ってスピードのみ! メーター内にオイルランプ、水温警告灯を内蔵、メーターステーやトップブリッジ、ハンドルまわりに使用されたアルミの輝きも美しい。

メーターも割り切ってスピードのみ! メーター内にオイルランプ、水温警告灯を内蔵、メーターステーやトップブリッジ、ハンドルまわりに使用されたアルミの輝きも美しい。

ヤマハ「SDR」主なスペック・当時価格

全長×全幅×全高1945×680×1005mm
ホイールベース1335mm
最低地上高160mm
シート高770mm
車両重量105kg
エンジン形式水冷2スト クランクケースリードバルブ単気筒
総排気量195cc
ボア×ストローク66.0×57.0mm
圧縮比5.9
最高出力34PS/9000rpm
最大トルク2.8kg・m/8000rpm
燃料タンク容量9.5L
変速機形式6速リターン
キャスター角25°30′
トレール91mm
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)90/80-17・110/80-17
当時価格(1987年)37万9000円

文:中村浩史/写真:松川 忍、南孝幸

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