文・写真:中村浩史/取材協力:ガレージシャンティ
ベースマシンは超人気車、Dax125
ラッピングカスタムでこう変わる!
モデルのコーギーと飼い主
こちらのコーギーの飼い主、石井俊也さん。愛犬は約10歳、人間で言うと60歳にもなるのだそう。「ネコってわけにはいかないだろうけど、飼ってるイヌと同じにしたい人、多いと思うよ」
ラッピングとは?
ラッピングはいわば、従来のカスタムペイントに替わるボディイメージの変更手段。今回カスマイズを行ったシャンティでは、レーシングマシンへのカラーリングにラッピングを使用しているが、それは転倒した場合にペイントし直すのではなく、ダメージがある箇所だけ貼り直せばいいから、なのだそう。市販モデルでは新車時に施工するのがおすすめで、売却する場合には新車状態に戻せるのがラッピング最大の特徴かも。
パーツ外し、デザイン、大型プリンターでラッピングシート印刷
カスタムペイントとも違うラッピングというカスタム
発売されて2年近くが経つのに、いまだ人気に衰えがみられないダックス125。一時期のバックオーダーは解消されつつあるけれど、今もダックスは、レブルやハンターカブと並んで、なかなか手に入らないモデルだ。
数が増えれば、街中で見る機会も増え、ダックスのオーナーは、他のダックスと出会うケースも増えている。信号待ちで同じバイクが隣に並ぶあれ、なかなか気まずいやつね(笑)。
だからある程度、台数が行き渡ってきたモデルは、新車で乗って、次の段階はカスタムしよう、という流れになるわけだ。ダックスの定番カスタムと言えば、前後にキャリアを装着したり、ハンドルやマフラーを替えてみたり。オーナーが増えるのと同じくらい、パーツメーカーから発売されるダックス用パーツも増えている。
そして今回、ボディラッピングを手掛けるガレージシャンティに依頼があったのは、ダックスのフルボディ・デザインラッピング。
これは、いわばカスタムペイントと同じことで、ペイントをするかわりに、ラッピング用シートを貼り込むもの。簡単に言えば、ボディにカッティングシートを貼ってイメージチェンジする、というカスタムだ。
ペイントと大きく違うのは、ラッピングシートを剥がしてしまえば、ノーマルに戻せるというポイント。新車時にラッピングすれば、剥がして新車に戻せるのだ。これは、カスタムペイントに真似できない大きなメリットだ。
「今回は、犬を飼っているオーナーさんが、愛犬をイメージさせるダックスにしたい、というオーダーでした。飼っている犬種がコーギーで、ダックスの元になったダックスフントと同じ短足系。それをボディに再現したい、ということでした」というのは、ガレージシャンティの風晴さん。
タンクやシート、カウルへの施工はあるけれど、シャンティでもダックスへのフルボディ施工は初めて。メインフレームがボックスチューブ状なだけに施工はカンタン?と思いきや。
「逆です。ラッピングする面積が小さいと、イメージを表現しにくいんです。今回もデザインの段階で、色使いや、その色をどこに置くかを悩みましたね。カウルのような平面の面積が大きい方が再現しやすいんです」(風晴)
デザインの検討
コーギーのボディをダックスに再現するに、リアルに写真で毛並みを表現するか、イラスト風にするか、を検討。メインボディ面積が小さいダックスだから、比較的ラクだと思いきや、面積が小さくて表現がしにくいのだという。
結局は下の左写真のイラストバージョンに落ち着きました。
ラッピングするパーツを取り外す
ラッピングするために、メインボディから外せるものは外して。フレームのダックスロゴやコーションラベルなどは、はがした時に新車と同じ状態に戻るようそのまま残した。
ペットとおそろいのデザインもラッピングで表現できます!
デザインを決めてしまえば、そのデザインを大型プリンターでラッピングシートに印刷。デザインが転写されたシートを一枚貼りしていく。
「貼り込むスペースが小さいのと、表面にプレスでエッジや凹凸を作って変化をつけているから、なかなか貼りこみはカンタンじゃないですね」というのは、施工を担当してくれた、スタッフの藤平さん。スリーエムジャパン公認のカーラッピング施工技術者だ。
施工は、3日間ほどで完成。見事、コーギーっぽいデザインをボディに再現できた。ボディ単体では派手に見えた色使いも、パーツを組んで完成車の状態にしてしまえば、イメージがガラリと変わって、新しいボディカスタムが感じられた。
もちろん、レーシングマシンのレプリカも、カスタムぺイント的なストライプやデザインを再現するのもいいけれど、せっかくの可愛らしいボディサイズのダックスだけに、ペットのイメージを再現したり、1970年代の初代モデルのカラーリングを再現するボディラッピングも面白い。
「飼っているペットとおそろいのデザインをラッピングで再現する、ってシリーズも面白いかもしれないですね。いろんなデザインを表現できるのがラッピングの大きな魅力なので、ちょっとムチャなオーダーも受け付けますよ!」とは風晴さん。
ペイントはペイントの、ラッピングはラッピングの良さがあるんです!