KTM「1390 SUPER DUKE R EVO」は前モデル「1290 SUPER DUKE R EVO」からどう進化した？ 海外製ビッグストリートファイターを紹介

外国・国産BIGストリートファイターの違いを考察

ストリートファイターの本場は過激に攻める！

ストリートファイターの起源はヨーロッパといわれている。CBR1000RRやYZF-R1といったスーパースポーツが持つ恐ろしいほどの大馬力＆大トルクを市街地で扱いやすくするため、振り回しやすい幅広のバーハンドルを装着しカウルを取っ払って軽量化。ヘッドライトはオフロード系の流用など最小限のサイズにして個性を競い、カスタムシーンを賑わせた。その流れをメーカーが製品化したのだ。

そのため本来はベースとなるスーパースポーツがあってのストリートファイターなのだが、近年の解釈では「スーパースポーツ並の高い動力性能を持ち、アグレッシブなスタイルのネイキッド」をストリートファイターと呼んでいる。

そんな歴史があるので、海外勢のストリートファイターは本気で過激。高い動力性能はもちろん、スタイリングまで手抜きなしだ。個性的なフェイスデザインや強い前傾シルエットはもちろん、スーパースポーツでトレンドになっているウイングレットを導入したモデルも現れた。

え？ 効果が体感できるのかって？ それを聞くのは野暮ってもんよ。ストリートファイターはカッコ良さが命。俺のバイクにはこんな装備があるんだぜ！ って気持ちが持てることが大事なのだ！

外国車BIGストリートファイターを一挙紹介
（BMW・ドゥカティ・トライアンフ・KTM）

KTM「1390 スーパーデューク R エボ」「1290 スーパーデューク R エボ」｜各部を比較・考察

１．スタイリング

基本スタイルを継承しつつブラッシュアップ

今年、KTMがリリースしているネイキッドモデル・DUKEシリーズが生誕30周年を迎えた。その記念すべき年にフラッグシップがモデルチェンジを敢行。フロントが低く、短いテールカウルが跳ね上がっている基本シルエットはそのままに、エンジンのポテンシャルをアップ。各部のディテールも見直され、戦闘的なスタイルに磨きがかかった！

2．ヘッドライト

さらに独創的なフェイスデザインを採用！

モデルチェンジのたびに斬新なフェイスデザインになるDUKE。今年のモデルは今まで以上にインパクトがあるデザインとなった。縦2連のコンパクトなLEDヘッドライトと周囲に配されたデイライトにより、昼夜問わず唯一無二の個性を発揮。新型のヘッドライトユニットは軽量に仕上げられているため、より鋭いハンドリング特性が期待できるぞ！

3．エンジン

排気量が増えてパフォーマンスアップ！

ボアアップによって排気量が約49ccも増加したVツインエンジンは、EURO5+をクリアしつつさらに高いパフォーマンスを発揮。オプションを含めて5つのライディングモードが選べるようになった。高性能ばかりに目が行きがちだが、実は常用回転域で抜群の扱いやすさがあり、市街地走行やツーリングも余裕でこなす柔軟性も持ち合わせたパワーユニットだ。

4．フロント足まわり

強力な制動力としなやかな作動性を実現

ブレンボ製Stylemaモノブロックキャリパーとラジアルマスターシリンダー、Φ320mmフローティングディスクの組み合わせは最高のコントロール性を実現し、緻密な姿勢制御も可能とした絶品。第3世代のセミアクティブサスペンションが導入された倒立フロントフォークは、1290SUPER DUKE R EVOより750gも軽量化されるなど、各部がアップデートされている。

5．シート

シンプルなパーツ構成となったリアまわり

前後セパレートタイプシートは、1290 SUPER DUKE R EVOの基本構成を継承。座り心地の良さと体重移動のしやすさを両立させたフロントシートは着座位置が高め。バーハンドルを上から抑え込むようなポジションはストリートファイターならではのものだ。テールランプとウインカーが一体化したため、スッキリとしたリアビューとなった。

KTM「1390 スーパーデューク R エボ」「1290 スーパーデューク R エボ」｜スペック・税込価格・製造国

【写真18枚】18

文：横田和彦／写真：南 孝幸、関野 温