文:横田和彦、オートバイ編集部/写真:森 浩輔、南 孝幸
ヤマハ「XMAX ABS」インプレ(横田和彦)
抜群のスタビリティが生むクラスを超えたフットワーク
ヤマハが展開するスポーツスクーターブランド・MAXシリーズの中堅を担うXMAX。2018年にデビューし、MAXシリーズらしいスポーティなスタイルと、新開発の249ccブルーコア水冷エンジン、軽量・高剛性フレームなどによってスポーツスクーターの名に恥じない仕上がりを誇った。そして2023年、6年ぶりのモデルチェンジを受け、大きくアップグレードされた。
基本シルエットに大きな変化はないが、フロントカウルからヘッドライト周辺のディテールやブーメランをモチーフとしたサイドカバー付近の造形を変更。ヘッドライト&デイライト、ブレーキランプなど灯火類にはLEDを採用し、夜間はネーミングにあるXをイメージするかのように発光する。
コックピットの進化は大きい。メーターが上下2画面となり上の画面にはスピードや距離、ガソリン残量などを表示。下の大画面にはスマートフォンの画面を映し出せ、電話やメールの着信表示のほかナビアプリを介して地図表示も可能となり、街乗りやツーリングでの利便性も高まっている。
シート形状も刷新。スペック上のシート高は従来モデルと変わらないが、太もも内側が接する周辺の曲面を深めスリム化したためライディング時のフィット感が向上。シート下の収納ボックスはヘルメット2個と荷物を収納できるだけの大容量が確保され、シティコミューターとしての使い勝手も良好だ。
アクセルを開けると低回転域から太いトルクが湧き出るのでダッシュはなかなか鋭い。車の流れにあわせたクルージングからの再加速にも余裕がある。走行時、特に印象に残ったのはスタビリティの高さ。フロントまわりの接地感が高く、ギャップ通過時にも振られにくく、これは高剛性フレームに組み合わされるフロントフォークの効果が大きそうだ。
一般的なスクーターとは異なり、トップブリッジまで伸びているモーターサイクルタイプのテレスコピックフロントフォークを装備しているため、荒れた路面を通過する時や高速道路での巡航時などでスクーターの域を越えた、抜群の安定感が得られるのだ。
フロントまわりの剛性の高さはハードブレーキングやコーナーリングでも体感できる。タイヤからの接地感がリニアに伝わってくるので、自然とコーナーリングスピードがアップしていく。ニュートラルなハンドリング特性と伸びのよいエンジン特性で、峠道でアクティブな走りもできるのは、さすがMAXシリーズといったところだ。
よりクオリティが高いボディと先進のスマートフォン連携システムを搭載したXMAXは、余裕ある車体サイズと走行フィーリングによって毎日の移動にとどまらず、週末のロングツーリングまで楽しめるビッグスクーターに仕上がっている。
ヤマハ「XMAX ABS」カラーバリエーション(2024年モデル)
2023年10月にモデルチェンジをしたが、7カ月後の2024年5月には2024年モデルが登場。4色のボディカラーはすべて新色となった。
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