定期的に手を入れたいメニューもきちんとこなされる

現役時代には堂々としたたたずまいや凄みを全面に湛えつつ、乗れば軽快という点も高く評価されていたZZR1100/ZX-11。前期C型(1990~1992年)からはもう30年超、後期D型(1993~2001年)でも20~30年が経過している。でも、この’01年型D9にはそんな経年の感じはあまりない。手がけたのはK-2プロジェクト。歴代カワサキ旗艦のオーナーが多く訪れるショップで、同店・北村さんもZZR1100に長く乗ってきて、多くの手法も試してきた。

画像1: 定期的に手を入れたいメニューもきちんとこなされる

「この車両は当店が前のオーナーさんから買い取ったものでした。ホイール換装や排気系ほかブライトロジックさんの手も入っていて、今ではもうめったに出てこない、程度のいいZZRでしたから私自身がいじって乗ろうかと思っていたんです。そうしたところ、近畿におられる現オーナーさんが来店されて、購入したいとおっしゃられたので販売しました。

そこからご自身の乗り方や体格に合うように、ポジションほか再カスタムを施しています。具体的にはステムを削り出し品にしたりフロントブレーキディスクを当店オリジナルのレゾンにしたり。それで気に入られたようで、だいぶ走行距離も伸ばされています。新しい点では、CTS製のドライクラッチキットを組んでいます。

今回は車検で入庫して、このタイミングで水まわりや燃料系など、ZZRで定期的に手を入れたい部分の作業メニューをひと通り行っています。今となっては長く乗る、あるいは距離を乗るには定期的に行いたいものですが、それでいい状態を維持されています。ほかにこの入庫で前後サスをオーバーホールし、フロントブレーキのマスターシリンダーもビレット製へ交換しています。

外観はYFデザインさんでD9純正スタイルアレンジでフルペイントし、愛知のSDブロスさんでCR-1コーティングもしています。オーナーさんがこちらまで足を伸ばせないときにはこのSDブロスさんでちょっとした作業はお願いしています」

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北村さんの説明でこの車両がなぜきれいなのかも分かる。どんな手を入れたかも同様によく分かる。K-2では車両買い取りや販売も行っているが、その中での目利きをきっかけにオーナーが付き、気に入って走行距離を伸ばし、さらに良さを引き出して楽しもうとしているという履歴さえもそうだ。それらを総合してみると、冒頭のZZRの利点をきっちり現オーナーにフィッティングしたということ。まさにZZR冥利に尽きる好例と取っていい1台だ。

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Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

メーターまわりはノーマルベースでハンドルは純正セパレートから低めのバー仕様に変更。フロントマスターは今回ブレンボの削り出しに変更、クラッチ側もブレンボ・ラジアルで操作系のタッチを向上している。

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燃料タンクのKawasakiロゴやテールカウルの1100ロゴ(D9純正では立体エンブレム仕様)も含めてYFデザインでフルペイント済みだ。

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エンジンも基本的にD9純正で、アルミベース+樹脂製スライダーのGSGモト製スライダーを装着。新しい点としてCTS製ドライクラッチキット(詳細はK-2プロジェクトへ)が装着される点に注目したい。切れが良く、エンジンオイルへの熱影響も小さくできる利点がある。

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キャブレターはダウンドラフトタイプのFCRφ41mmに換装してある。

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外装はD9純正で、ヘッドライトをZX-9R(B)に換装した上でフロントカウルの周辺部をこれに合わせて成形加工し、ルックス上のシャープさも加えている。SDブロスでCR-1コーティングも施工した。

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アルミペリメターフレームはZZR1100D9純正そのまま。ステップはウッドストックで、ドライブチェーンはDIDの50VXを使う。

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フロントフォークはオーリンズ倒立のFG43を削り出しステムにセット、フロントブレーキはブレンボ CNC 4PアキシャルキャリパーにK-2オリジナルのレゾン(raison)・ワークスエキスパンドディスクを組み合わせる。

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K-2に入ってきた時点で先に手が入っていたリヤブレーキはブレンボ2Pキャリパー+社外ディスクの構成。ホイールはマルケジーニのアルミ鍛造、M10Sの3.50-17/6.00-17サイズで、排気系ともにブライトロジックで施工したものだ。

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スイングアームはZZR1100純正でリヤショックはオーリンズ。フロントフォークとも、K-2で推奨するZZR1100の適正車体姿勢に合わせてセットアップされる。

取材協力:K-2 PROJECT

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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