心臓部再生での入庫をきっかけにフルメニューへと進行

「紹介で“車検を取りたい”と来店されたのが最初でした。前々オーナーさんが放置していてインジェクターや燃料ポンプが詰まり、次の方が手を入れたようですが、車検を取れる状況になかったと。それを現オーナーさんが手に入れて来店され、見直しも含めて作業にかかりました」

この初期型ハヤブサに手を入れることになったきっかけをK-2プロジェクト・北村さんはこう説明してくれる。同店はZZRシリーズやZX-14/Rはじめカワサキ・フラッグシップのイメージが強いが、このハヤブサのように他モデルにも対応してくれる。

画像1: 心臓部再生での入庫をきっかけにフルメニューへと進行

「最初の方でマフラーも作ろうとシャシーダイナモでセットアップをしていたところ、トラブルが出ました。それでオーナーさんとお話して、エンジンはきっちり作り直すことにしました。排気量は初期型1299ccのままJE鍛造ピストンでハイコンプ化して、ピストンリングやピンにはDLC加工、ほかの部分にもWPC処理しました。ハイカムも組んでバルブガイドも換えてクランクもバランス取り。せっかくなので細かいところまでフルに手を入れました」

K-2/北村さんの実直というか、お客さんの要望を確実に引き出しつつ、それを以後のことも考えながら車両に反映する点。そしてそれが車種問わずだと分かる内容だ。

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「排気系はこのエンジンの効率が生かせるようノジマエンジニアリングさんでワンオフ、FIはサブコンのパワーコマンダーを組んで関西のダイノマンさんで細かくセットアップしました。

合わせてフロントフォークはセイクレッドグラウンドさんで組み直し、ボトムピースも製作してサポートなしでキャリパーが付くようにしたり、リヤショックもオーバーホールとチューニングしています。外装やフレームもこの作業の前後でフルペイントしています」

トラブルにも向き合い、そこから多くのプラスを提案&実現したショップの姿勢。これにオーナーも次々作業を依頼し、車両の完成度はぐっと増して距離を重ねていくのも楽しいパッケージとなったようだ。次の提案&作業も、楽しみになってくる。

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Detailed Description 詳細説明

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ベースは前期型でスクリーンはゼログラビティ・ダブルバブルのクリア。外装はYFデザインでフルペイント済みだ。

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トップブリッジをワンオフして、オーナーの好みで低めに曲げ加工したバーハンドルをセット。左右マスターはブレンボ・レーシングを使う。

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ステップはストライカーARATAを加工して装着している。フレームはパウダーコートで白仕上げしてボディカラーとの一体感を高めた。

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エンジンはJE鍛造ピストンで1299ccの排気量そのままに高圧縮化。重量合わせやクランクバランス取り、ハイカム組み込みやDLC/WPCなどの表面処理も行い、パワーコマンダーを使って大阪のダイノマンでセッティングしている。

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2本出しのチタンマフラーはノジマエンジニアリングによるワンオフ品だ。エンブレムにもノジマとK-2PROJECTのネームが入れられている。

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フロントフォークはオーリンズ倒立でボトムピースをワンオフしてラジアルマウントのブレンボ・レーシングCNC 4Pキャリパーをダイレクトマウントする。ディスクもブレンボだ。

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リヤはディスクキャリアを製作した上で好みでディスクを大径化し、純正キャリパーと組み合わせる。リヤショックはオーリンズで、エンジン製作のタイミングに合わせてオーバーホールしている。

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3.50-17/6.00-17サイズのMAGTAN JB2ホイールはボディ塗装時に白に塗装し、リムに追加したゴールドストライプとともに車体全体のイメージを合わせ込んである。

取材協力:K-2プロジェクト

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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