50年前はガチンコライバルのホンダCBとカワサキZだったが、今じゃすっかり別路線でそれぞれ魅力を発揮中。そんな爽やか好敵手CB650RとZ650RSを同じ土俵に乗せてみて、老害グレーゾーンライダー目線でじっとりと眺めてみた。
以下、文:丸山淳大/写真:南 孝幸、関野 温

ホンダ「CB650R」VS カワサキ「Z650RS」|各部チェック

画像: Honda CB650R 総排気量:648cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:810mm 車両重量:205kg 税込価格:103万4000円

Honda CB650R

総排気量:648cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:810mm
車両重量:205kg

税込価格:103万4000円

画像: Kawasaki Z650RS 総排気量:649cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:800mm 車両重量:188kg 税込価格:105万6000円

Kawasaki Z650RS

総排気量:649cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:800mm
車両重量:188kg

税込価格:105万6000円

1.メーターまわり

画像1: Honda CB650R

Honda CB650R

画像1: Kawasaki Z650RS

Kawasaki Z650RS

30年慣れ親しんだアナログメーター、おじさんのアップデート進まず

どこに何が表示されていて、どれを押したらどの表示になるのか、非デジタルオジサンをまごつかせるCBR650Rの多機能表示のTFT液晶メーター。デザインも真四角で味気がない。でも、ちゃんと覚えて使いこなせれば便利だし、見やすいのは間違いないのかも。

Z650RSはアナログ表示なので私も平常心で表示を確認できるし、2眼の砲弾フォルムもバイクのキャラクターに似合っている。

いずれも電気式メーターなので、昔ながらのぜんまいばね式メーターのように修理ができないが、メーターより先に寿命を迎えるのは私かも。


2.スロットルフィールとオイル交換のしやすさ

画像2: Kawasaki Z650RS

Kawasaki Z650RS

画像2: Honda CB650R

Honda CB650R

Z650RSはサイトグラスでオイル量確認可、CB650Rはディップスティック式

CB650Rはスロットルを全閉にしたときの急なエンブレが気になる。スロットルを戻した時にECUの方で勝手にゆっくりスロットルバルブを閉じてくれるような制御がほしいところ。

Z650RSはセミドライサンプの潤滑方式を採用。クランクケースのオイルを回収するスカベジポンプによってケース内が減圧されることに加え、デュアルスロットルバルブの働きによって負圧キャブのようなスロットルフィールが好印象。

CB650Rは、オイルフィルターがエンジン真下に付いていて、交換時に手がオイルまみれになりそう。Z650RSは作業性も良さそうだし、オイル量もフィルター交換時1.8リットルで済むのでコスト的にも優れる。


3.足まわりと整備性

画像3: Honda CB650R

Honda CB650R

画像3: Kawasaki Z650RS

Kawasaki Z650RS

性能的に間違いなく優位なCB650R、いじる楽しみがあるZ650RS

どんなバイクを見ても自分でメンテできるか否かが真っ先に気になってしまう面倒な特殊癖を持つワタクシ。Z650RSは減衰調整機構を持たない正立フォーク&片押しピンスライドキャリパーのベーシックな構成なので、メンテナンス性の良さ一点のみで推せる。

私のような肥えた大柄男性が乗ると足まわりに心もとなさを感じるため、フォークオイルを硬めにして油面を上げてみたり、ブレーキホースをメッシュにしてみたりと、気軽に自分色にチューニングできるのも楽しみ。

CB650Rの足まわりに特に不満はないが、サスペンションにもう少ししなやかさがほしいかも。一方、リアまわりを見るとZ650RSはスイングアームにフックボルトの取り付け座が設けられており、メンテナンススタンドも使いやすそう。

CB650Rはスイングアームの傾斜が強く見えるし、フックボルトを取り付けるネジ山もなし。慣れるまでスタンド掛けに気を使うことになりそうだ。

画像: ホンダ「CB650R」VS カワサキ「Z650RS」|各部チェック

ホンダ「CB650R」VS カワサキ「Z650RS」|総合評価

画像: 出来の良い両車ですが、欲張りリクエストをさせてください!

出来の良い両車ですが、欲張りリクエストをさせてください!

あまり興味が向かなかったロッパンクラス、乗ってわかった一般オジサンライダーにベストマッチな気配あり

定食屋でご飯大盛りができれば迷わず大盛りにするし、竜宮城では秒で大きい方の玉手箱を選ぶあさましい系男子の私は、扱い切れないリッターバイクばかりに目を奪われがち。

でも、ライディングスキルを持ち合わせない上に重量車の取り回しも年々しんどくなり、やはりミドルクラスのマシンでバイクを堪能するのが賢い選択なのかもと今回考えを新たにした。

しなやかな足まわりと自然なスロットルフィールのZ650RSは、キャブ車からの乗り換えでも一定の満足を得られるはず。でもやっぱりこの車体で4気筒エンジンのやつに乗ってみたい。ザッパーエンジン有終の美を飾ったゼファー750みたいなキラメキを今一度!

対照的に非常に現代的なCB650Rは高い完成度にある。しかし、もっと突き抜けるエンジンと、もっとコケる気がしないと思わせる無敵の足まわりへと熟成が進めば、さらにホンダ「CB」らしい味が出てきそうだ。

画像4: Honda CB650R

Honda CB650R

エンジン音は我が青春のCB400SF(非VTEC)を想起させるものだったが、もう少し高回転のシャープ感が欲しいところ。4本揃って弧を描くヨンフォアイメージのエキパイは、やっぱり丸目1灯&2眼メーター&ティアドロップタンクのスタイリングに合わせて見てみたい!


画像4: Kawasaki Z650RS

Kawasaki Z650RS

エンジンにドラマチックな展開はなく、ひたすらフラットにパワーが出てくるが、それがきっと乗りやすさやツーリングでの疲れにくさにつながるのだろう。キャンディレッドのペイントの艶っぽさはちょいワル感もあり。昔より丸くなってもやっぱりカワサキ。

ホンダ「CB650R」VS カワサキ「Z650RS」|スペック・価格・燃費・製造国

スペックHonda CB650RKawasaki Z650RS
全長×全幅×全高2120×780×1075mm2065×800×1115mm
ホイールベース1450mm1405mm
シート高810mm800mm
車両重量205kg188kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量648cc649cc
ボア×ストローク67.0×46.083.0×60.0mm
圧縮比11.610.8
最高出力70kW(95PS)/12000rpm50kW(68PS)/8000rpm
最大トルク63N・m(6.4kgf・m)/9500rpm63N・m(6.4kgf・m)/6700rpm
燃料タンク容量15L12L
変速機形式6速リターン6速リターン
キャスター角25°30'24°
トレール101mm100mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17・180/55ZR17120/70ZR17・160/60ZR17
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・ディスクダブルディスク・ディスク
燃料消費率 WMTCモード値21.5km/L(クラス3-2)〈1名乗車時〉23.6km/L(クラス3-2)〈1名乗車時〉
製造国日本タイ
メーカー希望小売価格103万4000円(消費税込み)105万6000円(消費税込み)

文:丸山淳大/写真:南 孝幸、関野 温

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