お勧め車体姿勢を軸に操作性と居住性をきっちり持たせる

K-2プロジェクトによるブラックのD型ZX-11。ZZR1100/ZX-11には同車らしい長距離性能の引き出しと、もうひとつ、スポーツ性の引き出しというような特性がベースとして持たされていて、どちらをより濃く引き出していくかがカスタムの際のポイントとなる。この車両では、後者を重視したような印象を受ける。

ZZR1100/ZX-11やZX-10、後継のZZR1200にZZR1400/ZX-14/14Rといったカワサキ旗艦シリーズの多くのオーナーが頼りにする同店・北村さんはどんな手法を使っていったのだろうか。

画像1: お勧め車体姿勢を軸に操作性と居住性をきっちり持たせる

「これは長いお付き合いをしていただいているお客さんの車両です。鈴鹿サーキットや筑波サーキットも長く楽しんできた方。ツーリング用にZX-11を選ばれたので、スポーツ感も持たせて快適という方向で手を入れています」

エンジンは他で手を入れたという、ワイセコ鍛造ピストンによる1108cc仕様。ヨシムラST-1カムも組まれていて、FCRφ39mmキャブレターとチタン4-1マフラーを組み合わせる。点火系はTGナカガワのDIS=ダイレクトイグニッションシステムと同じくTGナカガワのHIR=ハイパーイグニッションリーダーをセットし、点火そのものを強めるとともに点火カーブも調整し、強化されたエンジンを生かすように設定。オイルクーラーも大型化するなど、冷却系も強化されている。なお、このエンジンは今回の入庫で今後長く乗ることを前提としてオーバーホールを受けるということで、詳細も改めて把握し直されるということだった。

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対して車体側は、前後ショックをオーリンズとした上でフロントフォークのボトムピースを、フォーク全長が1.5cmほど短くなる仕様に変更して装着。これはK-2/北村さんがZZR1100/ZX-11で重視している適正車体姿勢を作るための仕様だ。

ハンドルも扱いやすさを作るべくバータイプとし、そのためにトップブリッジも変更。ステップは的確な入力とフィードバックが得られるアグラス製削り出しに換装。シートは’90年代カスタムブームやZZR現役世代(’90〜’92年のC型、’93〜’01年のD型いずれにもだろう)にも刺さるコルビン・ガンファイターを現代流に内部/表皮変更して装着。さらにKawasaki/ZX-11のロゴまわりも含めて純正カラー/パターンを使いつつフルペイントと、特別感をさりげなく作り込んでいるのもポイントとなっている。冒頭で述べた印象のようなスポーツ感は、このように作り込みでも裏付けできた。ZZR1100/ZX-11というベースの持つ特徴をしっかり読んで、目指す方向の特徴を引き出す。この車両は、操作性をより引き出しつつ、居住性も上乗せしたことで、それを実現したのだ。

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メーターはマジカルレーシング製カバーやヨシムラ・デジタルテンプメーター、GiProシフトインジケーター等を加える。

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低めのバーハンドル仕様とするためにフロントフォークアッパーブラケットを変更。左右マスターをブレンボ・レーシングに換装してコントロール性も高めた。

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タンクのKawasakiロゴやテールサイドのZX-11ロゴをアレンジしながらJokerが純正ブラックでフルペイントした外装は燃料タンク/テールカウルが純正、サイドはハーフパネル&アンダーカウル仕様とし、フロントはD型純正にZX-9Rヘッドライトを組んでカウルを成型している。

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シングルシートスタイルのシートはコルビン・ガンファイターを現代的に加工したもので、居住性と操作感を向上。

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エンジンはワイセコ鍛造ピストンによる1108cc仕様&ヨシムラST-1カムが組まれたものを、今回オーバーホールする際に詳細を改めて把握し、より長く乗れるようにする。スライダーはGSGモト、右側クランクケースカバーはウイリー製をセットする。

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左右エンジンカバー&スライダーはR-ism。点火系はTGナカガワのDIS+HIRだ。オイルクーラーはラウンドタイプで大型化し、ラジエーターとともにエッチングファクトリー製コアガードを装着。

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排気系はストライカー・エキパイ+原田消音器サイレンサーの組み合わせでFCRφ39mmキャブレターとバランスさせている。

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クラッチレリーズはウイリー、ステップはアグラスを使う。ブラックボディのドライブチェーンはRKの50XXWだ。

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フロントフォークはオーリンズRWUにK-2PROJECTのレゾン・インナーキットを組み、車体姿勢を合わせるためボトムピースを15mmショート化し、全長もショート化した。フロントブレーキはブレンボ・レーシングラジアルCNC 4Pキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせを使う。

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リヤブレーキはブレンボCNC 2Pキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクとしている。

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リヤサスはオーリンズショック+ウイリー・ハイトコントロールスイングアーム、ホイールはMAGTAN JB3で3.50-17/6.00-17サイズを履く。

取材協力:K-2プロジェクト

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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