公道だけでなく、競技での速さも目指したZ1000-Jは、その狙いの確かさをサーキットで証明し続けた。1982年には、AMAタイトル獲得の栄光を記念したZ1000Rを発売した。
文:バイカーズステーション編集部/写真:金上 学、平野輝幸
※この記事はモーターマガジンムック『空冷Z伝 完全版』に掲載した記事を一部編集し転載しています。

カワサキ「Z1000R (Z1000-R1)」各部装備・ディテール解説

画像: メーターはJ1/J2と共通で、丸型の速度計を左側、回転計を右側、燃料残量計を中央に配する。スピードメーターの文字盤は外側にマイル、内側にキロを記すが、当時のアメリカでは最高値の表示が85mphと140km/hまでしか許されなかった。 タコメーターのレッドゾーンは8500rpmから上限の11000rpmまで続く。左右文字盤に置かれたインジケーターランプ(速度計の左から、左ウィンカー、オイル、ニュートラル。回転計は、青がハイビーム、白がヘッドランプ、オレンジが右ウィンカー)も同じだ。ハンドルクランプ上部のボックスにオド/トリップメーターやメインスイッチを置くのもJ1/J2と同じ。Φ38mm正立式フロントフォークはKYB製で、上端にエアバルブを持つ。

メーターはJ1/J2と共通で、丸型の速度計を左側、回転計を右側、燃料残量計を中央に配する。スピードメーターの文字盤は外側にマイル、内側にキロを記すが、当時のアメリカでは最高値の表示が85mphと140km/hまでしか許されなかった。

タコメーターのレッドゾーンは8500rpmから上限の11000rpmまで続く。左右文字盤に置かれたインジケーターランプ(速度計の左から、左ウィンカー、オイル、ニュートラル。回転計は、青がハイビーム、白がヘッドランプ、オレンジが右ウィンカー)も同じだ。ハンドルクランプ上部のボックスにオド/トリップメーターやメインスイッチを置くのもJ1/J2と同じ。Φ38mm正立式フロントフォークはKYB製で、上端にエアバルブを持つ。

画像: 燃料タンクを外して鋼管製ダブルクレードルフレームのヘッドパイプ周辺やエンジン上を通るパイプを見たところ。R1の骨格はJと共通。ガソリンタンク直下を通る1本と左右ダウンチューブの間に補強プレートを入れたのがJ系フレームの大きな特徴。

燃料タンクを外して鋼管製ダブルクレードルフレームのヘッドパイプ周辺やエンジン上を通るパイプを見たところ。R1の骨格はJと共通。ガソリンタンク直下を通る1本と左右ダウンチューブの間に補強プレートを入れたのがJ系フレームの大きな特徴。

画像: 初代R1のガソリンタンク上面には、エディ・ローソンのサイン入りステッカーが塗り込められている。ちなみに1983年モデルとして販売されたR2では、ヤマハへと移籍したローソンの名前は入らず、"1981-1982 SUPERBIKE CHAMPION Kawasaki SUPERBIKE REPLICA"と記されたステッカーが貼付された。つけ加えると、R1のカタログには"LAWSON REPLICA"の文字があるが、R2では"SUPERBIKE REPLICA"となる。

初代R1のガソリンタンク上面には、エディ・ローソンのサイン入りステッカーが塗り込められている。ちなみに1983年モデルとして販売されたR2では、ヤマハへと移籍したローソンの名前は入らず、"1981-1982 SUPERBIKE CHAMPION Kawasaki SUPERBIKE REPLICA"と記されたステッカーが貼付された。つけ加えると、R1のカタログには"LAWSON REPLICA"の文字があるが、R2では"SUPERBIKE REPLICA"となる。

画像: 初代Z1000Rが搭載する空冷DOHC2バルブ並列4気筒は、ベース車であるZ1000-Jと諸元は共通で、69.4×66mmのボア×ストロークから998.6ccの排気量を得る。圧縮比は9.2:1、最高出力:102HP/8500rpm、最大トルク:9.3kgf・m/7000rpmを公称。 フレームのヘッドパイプ下方にZ1100GP(Z1100-B2)から流用したオイルクーラーを装着、カバー類を含め全体をブラックに変更、エディ・ローソンのスポンサーだったカーカーの4into1メガホンマフラーを装着するなどがJとの相違点となる。

初代Z1000Rが搭載する空冷DOHC2バルブ並列4気筒は、ベース車であるZ1000-Jと諸元は共通で、69.4×66mmのボア×ストロークから998.6ccの排気量を得る。圧縮比は9.2:1、最高出力:102HP/8500rpm、最大トルク:9.3kgf・m/7000rpmを公称。

フレームのヘッドパイプ下方にZ1100GP(Z1100-B2)から流用したオイルクーラーを装着、カバー類を含め全体をブラックに変更、エディ・ローソンのスポンサーだったカーカーの4into1メガホンマフラーを装着するなどがJとの相違点となる。

画像: キャブレターはミクニBS34で、メーカーや品番はJ系と同一だがエンジンに合わせてスロットルボディとトップカバーを黒に変更。

キャブレターはミクニBS34で、メーカーや品番はJ系と同一だがエンジンに合わせてスロットルボディとトップカバーを黒に変更。

画像: 燃料コックの右下に見える丸型はチョークレバー、その右下はダイアフラム式コースティングエンリッチャーで、スロットルを全閉にした際、パイロットエアをカットして混合気が過剰に薄くなるのを防止して、アフターバーンを抑える。

燃料コックの右下に見える丸型はチョークレバー、その右下はダイアフラム式コースティングエンリッチャーで、スロットルを全閉にした際、パイロットエアをカットして混合気が過剰に薄くなるのを防止して、アフターバーンを抑える。

画像: PCDの大きなブレーキディスクはステンレス製で、フロントはZ1000JやZ1100GPより10mm大径なΦ280mmを採用。

PCDの大きなブレーキディスクはステンレス製で、フロントはZ1000JやZ1100GPより10mm大径なΦ280mmを採用。

画像: リアは他のラインアップと共通のΦ270mmを装着。ブレーキキャリパーは前後とも片押し式シングルピストンだが形状が異なり、スイングアーム上側に置かれたリアは長いトルクロッドで動きを規制。

リアは他のラインアップと共通のΦ270mmを装着。ブレーキキャリパーは前後とも片押し式シングルピストンだが形状が異なり、スイングアーム上側に置かれたリアは長いトルクロッドで動きを規制。

画像: 上端部に別体式ガス室を装着、金色として、Z1000-S1のワークスパフォーマンスに通じるイメージとしたリアショックはショーワ製で、合わせナットでプリロードを無段階に調整できる。

上端部に別体式ガス室を装着、金色として、Z1000-S1のワークスパフォーマンスに通じるイメージとしたリアショックはショーワ製で、合わせナットでプリロードを無段階に調整できる。

画像: ステップは欧州仕様のZ1000Jと同位置で、踏部に大きめのラバーを持つ。アルミ製のステッププレートは、外周部をシルバー、内側を黒としたJ用ではなく、すべてをブラックとしたZ1100GP用を使う。タンデムステップ前側にある穴はサイレンサー固定ボルトを通すもので、右1本出しマフラーのR1では左側は使われない。

ステップは欧州仕様のZ1000Jと同位置で、踏部に大きめのラバーを持つ。アルミ製のステッププレートは、外周部をシルバー、内側を黒としたJ用ではなく、すべてをブラックとしたZ1100GP用を使う。タンデムステップ前側にある穴はサイレンサー固定ボルトを通すもので、右1本出しマフラーのR1では左側は使われない。

画像: シフトペダルはリンク式で、構造はZ1000Jと共通となっている。

シフトペダルはリンク式で、構造はZ1000Jと共通となっている。

画像: シートはRモデルの専用品で、J系より大きな段差がつけられ、座面をメッシュタイプとして滑りにくくしている。スチールパイプ製のグラブバーは大型で、タンデムシートの外周をグルリと回り込む。

シートはRモデルの専用品で、J系より大きな段差がつけられ、座面をメッシュタイプとして滑りにくくしている。スチールパイプ製のグラブバーは大型で、タンデムシートの外周をグルリと回り込む。

カワサキ「Z1000R (Z1000-R1)」主なスペック

全長×全幅×全高2240×820×1230mm
ホイールベース1525mm
最低地上高120mm
シート高775mm
乾燥重量222kg
エンジン形式空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
総排気量998.6cc
ボア×ストローク69.4×66mm
圧縮比9.2
最高出力102HP/8500rpm
最大トルク9.3kgf・m/7000rpm
燃料供給方式BS34キャブレター
燃料タンク容量21.4L
変速機形式5速リターン
キャスター角29゜
トレール量115mm
ブレーキ形式(前・後)Φ280mmダブルディスク・Φ270mmシングルディスク
タイヤサイズ(前・後)100/90V19・120/90V18

文:バイカーズステーション編集部/写真:金上 学、平野輝幸
※この記事はモーターマガジンムック『空冷Z伝 完全版』に掲載した記事を一部編集し転載しています。

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