もはや二輪市場は兄弟車で成り立っていると言っても過言ではない。しかし、それは決して悪いことではない。それぞれがしっかりとしたキャラクターを持っていれば、それでいいのだ。凸凹コンビが考える理想の兄弟車とはどのようなものだろうか。
以下、文:ノアセレン、横田和彦/写真:南 孝幸
XSR900 GPの登場を機にノアと横田がこれまでの兄弟車を振り返る
似せて作るの? それともキャラ分けする?(ノア セレン)
様々なバイクに乗って思うことは「バイクはほんのちょっとのことでとても印象が変わる」ということ。
たとえばちょっと前ならABS付きと無しとではその重量差はほんのわずかなのに、乗り比べるとハンドリングが全然違ったりする。あるいは同じモデルでも純正装着タイヤの銘柄が異なるとガラリと印象が違うこともある。
バイクって本当に微妙なバランスで成り立ってるのに、メーカーが作る兄弟車はちゃんと成立させているのは凄いことだな〜、とつくづく思う。
これは面白い! と思う兄弟車は、GSX-8Sと、Z900RSかな。8Sの方は8RだけでなくVストローム800/DEとも兄弟なのに、それぞれがしっかりとキャラが立っててみんな魅力的。基本設計が優秀過ぎるんでしょう! と感激してます。
Z900RSはストファイのZ900と兄弟なのだけど、これは本当に兄弟車? ってぐらい違うバイク。RSは見た目だけじゃない旧車的な作り込みがされてるし、Z900の方はスーパー隠れ名車だよね!
基本構成は一緒であってもキャラクターが全然違う!(横田和彦)
同じ車体、エンジン、足まわりを使って別のカテゴリーのバイクに仕上げるという手法は決して目新しいモノじゃない。ただ年々その手法はこなれてきて、以前は見た目だけが違うという感じだったけど、近年は細部まで見直してパワーフィーリングやハンドリングをそれぞれのキャラクターに沿った仕上がりとしている。
個人的にその手法がうまいなぁと感じているのがカワサキだ。フルカウルのニンジャ650とスーパーネイキッドのZ650、そしてネオレトロのZ650RSの3変化はなかなか見事。これが海外勢になると車体は一緒で排気量だけが違うなんてモデルもある。まぁ、そうなるとツインズ(双子)というよりブラザー(兄弟)って感じになるのかな。
いずれにせよユーザー的には選択肢が広がるので嬉しい話といえる。しかし、ヤマハのXSR900・XSR900GPでのチャレンジには驚いた。ネオレトロがレーサーレプリカになっちまったんだから。
巷ではオッサンホイホイなんて言われているけど、ホイホイされ世代ど真ん中のボクだけど、暑い時代を駆け抜けた世代はスタイリングだけでは満足しないぞ!
国産ミドルクラスのスポーツモデル・兄弟車をまとめて紹介
文:ノアセレン、横田和彦/写真:南 孝幸