2024年初め、スウェーデンのプレミアム電動バイクメーカーであるCAKE破産の報は、世界中の電動バイクファンを驚かせました。CAKEの電動バイクは6,000台以上が販売されたのですが、CAKE破産後にもオーナーたちが困らないように、スペアパーツを供給する会社が設立されたことが、8月16日に発表されました。
※この記事はウェブサイト「ロレンス」で2024年8月22日に公開されたものを一部編集し転載しています。

世界中の、6,000以上のCAKEオーナーのために・・・

2022年秋、高機能スポーツウェアメーカーである株式会社ゴールドウインと組んで、日本での販売を開始するアナウンスが話題になったことが記憶に新しいCAKEですが、資金繰りの問題が今年初めに表面化。そして残念ながら2月には破産の憂き目にあってしまいました・・・。その結果3月をもってゴールドインでのCAKE販売取り扱いは終了。東京・丸の内ブリックスクエア1Fで営業していたポップアップショールーム「CAKE TOKYO」も3月27日に閉店となっています。

スカンジナビアデザインらしい、ミニマリズムと機能性を追求した設計を持つCAKEの電動バイク群は、バイク業界だけでなく、デザイン業界やテック系ギークな人たちからも大いに注目されました。そしてアフリカ大陸の密猟者対策パトロール用電動バイクの活動、樹脂部品の代用品としての紙部品の開発などなど、地球にやさしいことをトコトン追求するCAKEの姿勢は、企業としてのCAKEのファンも世界中で獲得しました。なお現在FIMが開催している「E-エクスプローラー ワールド カップ」の、電動車による都市部での男女混合レースというフォーマットは、そもそもCAKEが「CAKE ワールドレース」で生み出し、先駆者として実行していたものです。

なおCAKEの知財は、ノルウェーの自動車小売業者であるブラーゲス ホールディングASが取得。今年6月にはCAKEを収益性の高い企業へと改善させつつ、すでに生産済みのCAKEブランド電動バイク販売を再開しています。

そして新生CAKEとは別の動きとして、先日興味深い発表がありました。世界中で今も使用されている、6,000台以上のCAKE製電動バイクを維持するために、CAKESERVICE.CO はスウェーデンの地に設立されたのです。設立者はセバスチャン ヴォカナックとステファン バックランドの2人で、パーツを供給する対象モデルはマッカ、オサ、カルクとなります。

画像: CAKEパーツ供給会社を設立したS.バックランド(左)とS.ヴォカナック。CAKESERVICE.COはスウェーデン企業のジ エレクトリック カンパニー ABがその母体です。 www.linkedin.com

CAKEパーツ供給会社を設立したS.バックランド(左)とS.ヴォカナック。CAKESERVICE.COはスウェーデン企業のジ エレクトリック カンパニー ABがその母体です。

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パーツの在庫は現在20万点以上・・・とのことです

設立者の2人はともに情熱的なCAKEユーザーであり、彼ら同様にCAKEを愛用している人たちがCAKE製電動バイクを末長く乗り続けられるように、継続的なサポートとサービスをすることを保証するそうです。なおCAKESERVICE.COの完全なカタログは、今年の9月初旬にリリースを予定しているとのことでした。

「スウェーデンの倉庫には現在、20万以上の部品があり、世界中のCAKE所有者にサービスを提供する準備ができています。私たちは新しい部品を調達し、グローバルな小売パートナーと協力して、CAKEオートバイとモペットの販売を支援することを約束します」

画像: CAKEの電動コミューターモデルであるマッカ。今後CAKEがどのようになっていくかは定かではありませんが、CAKE新経営陣とCAKESERVICE.COはマッカのほか実用車のオサ、そしてオフロードモデルのカルクの3シリーズを主要取り扱い製品として扱い、新型オフロードのバク、電動アシスト自転車のオイク、そしてキッズモデル3種などのプロジェクトは、ビジネスが安定するまでは棚上げにすることが予想されます。 www.cakeservice.co

CAKEの電動コミューターモデルであるマッカ。今後CAKEがどのようになっていくかは定かではありませんが、CAKE新経営陣とCAKESERVICE.COはマッカのほか実用車のオサ、そしてオフロードモデルのカルクの3シリーズを主要取り扱い製品として扱い、新型オフロードのバク、電動アシスト自転車のオイク、そしてキッズモデル3種などのプロジェクトは、ビジネスが安定するまでは棚上げにすることが予想されます。

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CAKESERVICE.COは、サプライヤー、小売業者、CAKE新経営陣、そしてCAKEユーザーたちといった多くの関係者との交流をとおして、堅実かつ長期的なビジネス基盤を構築するというステートメントも発表しています。一度はつまずいたCAKEの歩みが再び順調な軌道に乗り、多くの魅力的なプロダクトを今後も出してくれることを期待したいですね。

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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