細部を詰めて装備重量200kg切りを達成し楽しみを深める

2024年2月に従来の福岡市南区から福岡県南部の筑後市に移転したタジマエンジニアリング。創業者・田島さんの地元でもある場所で、田島さんが以前から構想していた、車両製作に専念しやすいファクトリー(地域の通称から“八女<やめ>ベース”と呼んでいた)を具体化する移転でもあった。前述のように一般車両の販売は減らし、整備やカスタムにより重きが置かれるようになっている。従来の店舗からは少し離れたものの、もとより遠方のユーザーも多く訪れていたことから、そうしたユーザーの車両は継続して扱ってくれるとのことだ。

このCB1100Rはそんなお客さんの車両。レーシーなルックスをというオーダーをベースにして、およそ2年前の旧店舗時代に製作され、いったんの完成を見たものだ。

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内容としてはパーツセレクトにオーナーの希望が入っているものの、基本はタジマ流。CB-F/Rの17インチ化とそれに応じたディメンション変更、20カ所に及ぶフレーム補強を行って車体を完成させる。同時にエンジンはRSCピストンや5速クロスミッション/ビッグバルブを組み、吸排気の流れを理想化するポート加工ほかシリンダーヘッドまわりの再構築等を行っている。

外装は純正パターンのグラフィックをCB1100Rでは絶対的と言えるレッド×ブルーからあえてブルー×シルバーとし、ゴールドベースの足まわりをシルバーベース、フレームもレッドからブラックへと変えた点にも独自性が感じられる。本欄では再登場の車両ということになるが、前回の掲載時からはサイドカバー部のステッカー(タジマエンジニアリングの新しいもの)変更以外にも細部まで手が加えられ、全体の雰囲気はいい意味でよりシャープに見える。

「完成した車両をオーナーさんが気に入ってくださって、完成後もよく来店されています。ミラーやハンドル(やや前/上)、クラッチホルダーを換えていますが、ご自身でも細かいパーツを換えていますね」とタジマの現代表・村嶋さん。

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「CB1100Rは実質的にホンダ最後の空冷直4・フラッグシップモデル。それで今の足を組んでもらって、軽くしてもらいました。タジマさん(ここでは村嶋さんを指す)が限界と言えるまでに作り込んでくださったので、装備200kg(CB1100Rの乾燥重量は233kgだから装備でだいたい250kg超。つまり、約50kg軽くなる)も切りたかったんです。自分でもチタンボルトやカーボンパーツでの軽量化をしたり、改めて色揃えもしてます。エンジンはトルクの太いCBRみたいに大トルクですーっと回ります」と、若いオーナーもその作り込みと軽さに大きく惹かれている。

この間にスタータークラッチの強化も行われ、車重もほぼ目標値を達成(多くのフレーム補強も入りつつだからすごい)した。よい車両に仕上がったからこそもっときれいに、そして乗りたくなる例となった。オーナーの探究心やショップとの関係性を元に、この車両はさらに深みを増していくはずだ。

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カウルステーは純正鉄からアルミで作り直し、今回カウル位置をより適正にするべくステーを少し短くした。ウインカーは超小型LEDのケラーマン・バレットアトーでフロントはカウルサイド前端(右はHONDAのA文字下、左は同じくH文字下あたり)にセットしている。アルミ燃料タンクはCB1100R純正にクィックチャージャー加工を追加してものだ。

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トップブリッジはアグラスのSC59(CBR1000RR)用で、ハンドルは今回少し前側×上にリセット。メーターはカーボンでパネルをワンオフしてスタックST-3852スピードメーター/ST200タコメーター/ヨシムラPRO-GRESS1テンプ・ボルトメーターを配置。フロントマスターはブレンボRCS、ワイヤクラッチホルダーは今回コーケン・メカニカルホルダー・ベーシックに置換した。

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CB1100Rの純正1062ccにRSCピストン、サニーサイド製CB1100R用ビッグバルブ、5速クロスミッション組み込みなどが行われたエンジン。ポート加工等も行われ、トルクも大きく乗りやすいとのこと。発電系は今回メタルギヤワークスの新型に変え、スタータークラッチも内部を強化品に変更している。

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吸排気はFCRφ37mmキャブレター+K&Nエアフィルターにミズノモータース製4-1チタンメガホンマフラーの組み合わせ。エンジン内圧コントロールバルブのT-REVも見える。

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フレームはネック部やネック部下の半2重管化、エンジン下での左右ループ接続パイプなど20カ所を補強する。ステップはOVER製で、今回ベースをやや内寄せしてライダーの車体との一体感も高めた。

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倒立のフロントフォークはZX-14R用オーリンズFGRT207で、フロントブレーキはAPレーシングCP7853にサンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせ。各部ボルトとアクスルはベータチタニウム・64チタンで、他のボルトやステムナットなどもチタン化が進む。

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リヤキャリパーはAPレーシング・CP4226でスイングアームはウイリー製アルミハンドメイドにルックスのワンポイントとして下側ブレースを加えている。

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リヤショックはアラゴスタ・PHASE-2で、スプリングを以前の黒から車体色に合わせた青に変更した。ホイールはマグネシウム合金鍛造のMAGTAN JB4でサイズは3.50-17/6.00-17インチ、リヤはチェーンラインを特注で合わせている。ドライブチェーンはEK・ThreeD 520Zだ。

取材協力:タジマエンジニアリング 

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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