良コンディションで走り続けRS1000パーツ組み込みへ

CB750Fには内部リフレッシュを行ってそのまま積み替えできるリビルドエンジン、これをベースにスープアップメニューを施した“ブラッククローム”エンジンを用意するT.T.Rモータース。TOT参戦車両も手がけるなどしているから、オーナーの希望する仕様に対してのノウハウもきちんと持っている。そこに注目して、この車両を見ていこう。こちらは元々、10年ほど前に“今までに見たことのないCBを作ろう!”とT.T.Rが手がけた提案仕様の車両でもあった。

画像1: 良コンディションで走り続けRS1000パーツ組み込みへ

元々の作りとしては、CB750FBをベースとして、CB-FをCB1100Rスタイルにする社外のキットを追加。それも多くのユーザーが使う標準のフルカウルではなく、あえてハーフカウル仕様で製作。CB-Fに17インチの足まわりを組み合わせる時に起こりがちなリヤまわりの隙間を減らすように、シートレールをワンオフ。カウルを装着しつつもハンドル切れ角も純正同様に確保するといったメニューが施されていた。キャブレターもT.T.Rが得意とするCB-SF系負圧タイプの流用で、始動性や整備性にもストレスがないようにまとめていたものだ。

それが、ホイール換装やリヤショックレイダウン変更等の仕様変更を重ねながら、先頃エンジンにも手が入った。RS1000(CB900Fをベースとしたホンダ製市販レーサー。ファクトリーのRCBに対してこう呼ばれる)用の内部パーツ=クランク/コンロッド/ピストン/カムを組んで、カムチェーンテンショナーも交換した別ユニット載せ替えられたのだ。それがこの姿だ。積んだのはちょうど2基組んだうちのひとつなんですよ、とT.T.R林さんは説明する。

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お店とも長い付き合いのあるオーナーさんで、手に入らないもの好きでしたから、という注釈も入りながらだが、この仕様はCB-F乗りには魅力がある。確かに車両製作時点から10年は経過しているし、以後の変更も継続的に行っているという付き合い。他にないスタイルも維持され(実際、カラーリングも含めて他に出会わない仕様だ)、それをベースにしながら、その都度魅力を高めつつ、リヤショックをレイダウンしたらそこに合わせたりセッティングをするというようにと、加えた内容への最適化も行っている。変化も加えながら長く楽しむ好例とも言える1台。T.T.Rも身近な存在だから、依頼できたと取っていいだろう。

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前後カウルはかつてCB-FをCB1100R風にするとして販売されていたもので、メーカー不詳。ハンドルをハリケーンのスワロータイプからトップブリッジ下マウントのセパレートに変更した際にフロントカウルも下げられた。フロントマスターはニッシンでメーターはCB-Fを元にエンジン回転計を電気作動化している。

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CB1100Rのレッド×ブルー×ホワイトトリコロールを下敷きにしながら、各色の配分を大胆に変えたカラーシングで軽さも見せる。タンクに入るラインはいわゆるスペンサーカラーのそれが使われる。フェンダーレスとアルミインナーフェンダーはT.T.R製だ。

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シンプルなワンポジションのステップも約10年前、この車両を作った当時に製作されたもの。スプロケット部に速度計用メーターギヤが移設されている。

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エンジンは車両製作当時のCB750FBノーマルから、市販レーサーRS1000のクランクシャフト/コンロッド/ピストン/カムを組んだほぼRS1000仕様と言える状態にし、カムチェーンテンショナーも交換。オイルクーラーも追加された。

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製作当時にはカウルのロアエンドラインはシリンダーヘッドカバーより上にあったが、今はシリンダーヘッド/ヘッドカバー中間に被る高さに下げられている。

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キャブレターは当初のCB1300SF純正(スロットルポジションセンサ含む)から、TMRφ38mmに変更されている。

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φ41mmフロントフォークはステムとともにCB400SFで、ニッシン4ピストンのフロントキャリパーやフロントディスクもCB400SFを使う。

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リヤブレーキもCB400SF。3.50-17/5.00-17サイズのホイールもCB400SFだが、当初のブラック3本スポークからNC42用のホワイト10本スポークに履き替えてイメージも大きく変わっている。

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アルミスイングアームもCB400SF。製作当時は純正形状だったが、現在は下側スタビライザーが追加されている。オーリンズ・フルアジャスタブルショックは途中でレイダウンマウントとなった。ドライブチェーンはRKの530RXRを使う。

取材協力:T.T.Rモータース

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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