ヤマハのスポーツモデル「MT-09」にATモードとMTモードを備えたY-AMTが加わった! スポーツモデルに対しては独自の理論を持つノアセレン。果たして自動変速機構を備えるY-AMTをどのように評価したのか……上級グレードであるSPとの比較インプレッションをお届け!
以下、文:ノア セレン/写真:関野 温

ヤマハ「MT-09 Y-AMT」VS ヤマハ「MT-09 SP」|深堀りチェック

1.燃料タンク

実は多機能! タンク上のコンソール部

Y-AMTとSPには電子キーが標準装備された。4輪などで使い慣れてる人にとってはありがたい進化だ。タンクキャップ横にはAAGのグリルがあり、そこから官能的な吸気音が響き渡る。このサジ加減が絶妙でうるさく感じない音量なのが良い。なおこの部分の形状はヘルメットをかぶる時に、眼鏡を一時的に置けるように考慮もされているらしい。


2.足まわり

画像: SP仕様(左)・標準仕様(右)

SP仕様(左)・標準仕様(右)

画像: SP仕様

SP仕様

画像: 標準仕様

標準仕様

SP仕様は輝きが違うぜ! 所有欲も大切なポイントだ

足まわりは違っていても車体寸法やキャスター/トレールといったディメンションは完全に共通の2台。本文にも書いた通り、走りの差が出るのはサーキットのような高速域だと思うと、ではSPの魅力はサスの調整のしやすさや、ルックスの部分ということになるだろう。

SPのリアサスはプリロードアジャスターがリモートになっているため、工具不要で気軽に変更可能。これは荷物の積載やタンデムの際に助かる機構。ただ標準仕様もリアサスまわりの空間が広く、プリロード調整のフックレンチはとてもヒッカケやすかったのはありがたい。

なお車載工具を取り出して気づいたのだが、SPのシート下スペースはETCも十分納められる余裕があるのに対し、Y-AMT仕様はECUのサイズが大きくてシート下スペースは極小! 別体式のETCは難しいかも……。

【ノア セレンが選ぶ2台の“極品” ポイント

画像2: MT-09 Y-AMT ABS

MT-09 Y-AMT ABS

標準仕様のブレーキは良く効くし適度にファジー!

SPのブレンボは確かにスゴイ。MotoGPかのように指一本で強烈減速が可能だけど、ダイレクトゆえにレバー位置などをしっかり合わせ込む必要もある。対する標準仕様のキャリパーは適度にファジーで、逆に扱いやすく感じる場面もあった。制動力も十分だよ!


画像3: 【比較インプレ】ヤマハ「MT-09 Y-AMT」VS ヤマハ「MT-09 SP」〈ノア編〉|最新鋭のスポーツATにSP仕様は足まわりで対抗!

最新のプレス技術が成せる業!

MT-09の自由自在な感覚はスリムな車体によるところも大きい。それに貢献しているのがタンク。今回はハンドルの高さが下がったためタンク上面の高さも下がり、かつハンドル切れ角も大きくなったにもかかわらず、タンク容量は先代同様の14Lを確保。複雑な形状は最新プレス技術の賜物!

ヤマハ「MT-09 Y-AMT」VS ヤマハ「MT-09 SP」|総合評価

画像: MT-09が楽しい理由は標準仕様のレベルの高さにある

MT-09が楽しい理由は標準仕様のレベルの高さにある

新型MT-09は歴代モデルの中で最高傑作モデルだった!

僕は2024年のバイクオブザイヤー(BOTY)に新型MT-09をノミネートしたほど、注目してきたモデルです。というのも、これがMT-09史上の最高傑作と思えるほど、馴染みやすいハイパフォーマンスを持っていたからだ。MT-09ここに極まれり! って感じですな。

それの派生であるSPとY-AMT、いずれもそれぞれ魅力がある。サーキットを走るならブレーキのシャープさやサスの調整幅でやっぱりSPでしょう。でも標準仕様のサスもけっこう調整できるから、よっぽどじゃないと不満は出ないと思うなぁ。

Y-AMTについては、新しいもの好きの人にはタマラナイものの、積極的に自分のライディングスタイルで走らせたい人には不向きかも。「細かいことは気にせず、最新技術に任せるよ!」という大らかな気持ちで乗るのが吉です。僕は結局、標準仕様がイイかな(笑)。

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ヤマハ「MT-09 Y-AMT」VS ヤマハ「MT-09 SP」|スペック・価格

MT-09 Y-AMT ABSMT-09 SP ABS
全長×全幅×全高2090×820×1145mm
ホイールベース1430mm
最低地上高140mm
シート高825mm
車両重量196kg194kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
総排気量888cc
ボア×ストローク78.0×62.0mm
圧縮比11.5
最高出力88kW(120PS)/10000rpm
最大トルク93N・m(9.5kgf・m)/7000rpm
燃料タンク容量14L
変速機形式6速リターン
キャスター角24°40′
トレール量108mm
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17・180/55ZR17
燃料消費率 WMTCモード値20.8km/L(クラス3-2)1名乗車時21.1km/L(クラス3-2)1名乗車時
メーカー希望小売価格136万4000円(消費税10%込)144万1000円(消費税10%込)

文:ノア セレン/写真:関野 温

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