ホンダ・VTシリーズの始祖となる「VT250F」は1982年6月に発売された。以降、V型2気筒エンジンを搭載した250ccモデルは長年に渡って生産され続けた。

ホンダ「VT250F」特徴

画像: Honda VT250F 1982年~1983年 総排気量:248cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 シート高:780mm 車両重量:162kg

Honda
VT250F 
1982年~1983年

総排気量:248cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
シート高:780mm
車両重量:162kg

激しいバトルを展開したRZ最大のライバル!

1980年に登場したヤマハのRZ250は、スポーツバイク、とりわけ250ccクラスのモデルに多大なる影響を与えた。それまで、このクラスのスポーツバイクと言えばひとつ上の400ccクラスのモデルをエンジンのみスケールダウンした機種が中心で、RZに太刀打ちできるようなパフォーマンスを備えたモデルは存在しなかったのである。

その後各社は躍起になって「打倒RZ」のスローガンを掲げ、数多くの高性能ニューモデルを登場させていくことになるのだが、ホンダはパワー面で有利な2ストのRZにあえて4ストロークエンジンを搭載したスーパースポーツで対抗する。こうして生まれたのがVT250Fだ。

1万回転オーバーという、当時の常識をひっくり返す超高回転型Vツインは、奇しくも2ストマシンに4ストで対抗したGPレーサー・NR500のDNAを感じさせるもの。スリムな車体、シャープにまとめられたスタイリングも大好評で、VTは当時の若者の人気をRZと二分する存在となるのである。

ホンダ「VT250F」注目ポイント

画像: 当時はカウル自体の認可が下りず、ウインカー一体型のビキニカウルは「メーターバイザー」として運輸省の認可を取った。

当時はカウル自体の認可が下りず、ウインカー一体型のビキニカウルは「メーターバイザー」として運輸省の認可を取った。

画像: アナログ2眼式の大きく見やすいメーター。タコメーターのレッドゾーンは1万2500rpmからで、当時としては驚異的な高回転型だった。

アナログ2眼式の大きく見やすいメーター。タコメーターのレッドゾーンは1万2500rpmからで、当時としては驚異的な高回転型だった。

画像: バンク角を90度に設定し、理論上一次振動を打ち消したDOHC・Vツイン。35PSというスペックは先に登場したRZ250に並ぶ驚異的なもの。

バンク角を90度に設定し、理論上一次振動を打ち消したDOHC・Vツイン。35PSというスペックは先に登場したRZ250に並ぶ驚異的なもの。

画像: フロントには CBX400F に続いてインボードディスクブレーキを採用。鋳鉄ローターの効き味は「真綿フィーリング」と称された。

フロントにはCBX400Fに続いてインボードディスクブレーキを採用。鋳鉄ローターの効き味は「真綿フィーリング」と称された。

ホンダ「VT250F」動画・写真

画像: Honda Collection Hall 収蔵車両走行ビデオ VT250F(1982年) www.youtube.com

Honda Collection Hall 収蔵車両走行ビデオ VT250F(1982年)

www.youtube.com

ホンダ「VT250F」主なスペック・発売当時価格

全長×全幅×全高2000×750×1175mm
ホイールベース1385mm
シート高780mm
車両重量162kg(乾燥149kg)
エンジン形式水冷4ストロークDOHC4バルブV型2気筒
総排気量248cc
ボア×ストローク60.0×44.0mm
圧縮比11.0
最高出力35PS/11000rpm
最大トルク2.2kg-m/10000rpm
燃料供給方式キャブレター
燃料タンク容量12L
変速機形式6速リターン
キャスター角26°30′
トレール量91mm
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・ドラム
タイヤサイズ(前・後)100/90-16 54S・110/80-18 58S
発売当時価格(1982年)39万9000円

まとめ:オートバイ編集部

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