1983年に世界選手権耐久レースを制したGS1000Rのスタイリングを市販車に落とし込んだGSX-R。メカニズム面でもレーサーレプリカにふさわしい画期的な機構が数々投入された。

スズキ「GSX-R」特徴

画像: SUZUKI GSX-R 1984年 総排気量:398cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:780mm 乾燥重量:152kg

SUZUKI
GSX-R
1984年

総排気量:398cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:780mm
乾燥重量:152kg

クラス最強の動力性能と高い実用性も兼ね備えた

いまやスズキを代表するブランドである「GSX-R」の名を初めて冠したモデルが、1984年登場の400。クラス最強・最軽量を目指し、前年に登場した2ストレプリカのRG250Γに続いてオールアルミ製のダブルクレードルフレームを採用。乾燥重量はわずか152kgで、当時の400ccクラスとしては驚異的に軽かった。

エンジンは1983年に登場したGSX400FWの水冷4気筒をベースに、プラグを小径化することで可能にした大径バルブの採用やピストン、コンロッドの軽量化、シリンダーの軽量化など、まるでレーシングマシンのようなチューニングが施され、マフラーには4-1集合を採用。最高出力はクラス上限となる59PSに到達した。

足まわりはフロントに16インチを採用し、リアにはフルフローターサスを装備。軽快なフットワークを身上としたが、ハンドル位置が比較的高く、前傾姿勢が軽めなのと、フレキシブルなパワー特性で、ツーリングユースにも十分使える実用性も兼ね備えていた。

スズキ「GSX-R」注目ポイント

画像: レーシーなメーターはスポンジにマウントされる3眼タイプ。初期型は文字盤がブラックで、2型以降ではホワイトとなる。

レーシーなメーターはスポンジにマウントされる3眼タイプ。初期型は文字盤がブラックで、2型以降ではホワイトとなる。

画像: 水冷4気筒エンジンはGSX400FW用をベースにピストンやコンロッドを軽量化。吸排気バルブも大径化するなど、徹底したチューンで59PSを実現。

水冷4気筒エンジンはGSX400FW用をベースにピストンやコンロッドを軽量化。吸排気バルブも大径化するなど、徹底したチューンで59PSを実現。

画像: フォークにはANDFを装備。ブレーキシステムは前後で10個のピストンを持つことから「デカピストン(デカ=10の意)」と呼ばれた。

フォークにはANDFを装備。ブレーキシステムは前後で10個のピストンを持つことから「デカピストン(デカ=10の意)」と呼ばれた。

画像: 前後セパレートタイプのシートは、着座位置に合わせた絞り込みの入る、ホールド性に優れた形状を採用し、足つき性も良かった。

前後セパレートタイプのシートは、着座位置に合わせた絞り込みの入る、ホールド性に優れた形状を採用し、足つき性も良かった。

スズキ「GSX-R」主なスペック・発売当時価格

全長×全幅×全高2090×710×1185mm
ホイールベース1425mm
最低地上高135mm
シート高780mm
乾燥重量152kg
エンジン形式水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量398cc
ボア×ストローク53×45.2mm
圧縮比11.3
最高出力59PS/11000rpm
最大トルク4.0kgm/9000rpm
燃料供給方式キャブレター(AS27VW)
燃料タンク容量18.0L
変速機形式6速リターン
キャスター角27゜25'
トレール量96mm
ブレーキ形式 前・後ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)100/90-16 54H・110/90-18 61H
発売当時価格(1984年)62万9000円
※諸元は初期型(1984年・GK71B)

まとめ:オートバイ編集部

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