1980年代後半には最盛期を迎えていたレプリカブームだが、その熱狂の渦の中心にいたマシンがホンダ・NSR250R。1988年登場の2型は、その圧倒的な動力性能で最強の名を欲しいままにし、サーキットや峠を席捲していくのである。

ホンダ「NSR250R(MC18)」特徴

画像: Honda NSR250R 1988年 総排気量:249cc エンジン形式:水冷2スト ケースリードバルブV型2気筒 シート高:770mm 車両重量:145kg

Honda
NSR250R 
1988年

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷2スト ケースリードバルブV型2気筒
シート高:770mm
車両重量:145kg

ライバルをぶっちぎる強烈な速さで伝説に!

ヤマハのRZ250に4ストのVT250Fで対抗したホンダ。そのVTは大ヒットモデルとなったが、同じ2ストスポーツ車同士では大苦戦。独創的なV3エンジンのMVX250FRZ250Rに太刀打ちできず、捲土重来を期して登場したNS250Rも、強烈なスタイルとパフォーマンスを誇るスズキ・RG250Γの前では霞んでしまい、アドバンテージを築くには至らなかった。

そこでホンダは市販レーサー・RS250と同時開発となるNSR250Rを1986年10月に投入する。エンジンはクランクケースリードバルブを採用。フレームもアルミツインスパーというレーシーなものだった。

初代NSR250Rはエンジンパワーが高く評価され、レースでも活躍したが、ホンダ陣営はライバルであるヤマハのTZR250の次期モデルが大幅な性能アップを果たすと予想。これに打ち勝つためには劇的なパフォーマンスの向上が必要だと考えていた。

画像: ホンダ「NSR250R(MC18)」特徴

こうして誕生したのがMC18型のNSR250R。勝つためには手段を選ばない、ホンダの貪欲な姿勢が如実に現れた1台だ。

市販二輪車世界初のコンピューター制御によるPGMキャブレターとPGM-CDIを採用。RCバルブと呼ばれる可変排気孔バルブシステムとあわせ、45PSというカタログスペックが疑わしいとさえ言われるほどの強力なパワーを誇った。

フレームは異形5角形断面アルミツインチューブで、当時登場したばかりのラジアルタイヤをリアに採用するなど、最先端技術も積極的に採り入れた。

そのパフォーマンスはライバルを一気に置き去りにするもので、レースシーンでは「勝ちたければNSR」とさえ言われた。出力特性と車体剛性の関係で、公道では性能を引き出すのが難しいと言われたが、そんな手強さもむしろレーシーだと歓迎され「最強の2ストレプリカ」の名声を欲しいままにした。

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