取材協力:車両オーナー・一色 浩さん
クラシック過ぎないカフェレーサースタイル
スポーツランドSUGOで春と秋に行われるイベント、「2FUN」。そこではHeritage&Legendsも現地で自薦エントリー、来場者の皆さんに投票いただくカスタムバイクコンテスト“バイクビルドオフ”を行っている。’24年10月の「SUGO 2FUN AUTUMN/VINTAGE」でもバイクビルドオフは行われ、都合9台がエントリー。この車両はそこに1番手で車両エントリーしていただいた一色さんのトライアンフ・ボンネビル(2004)。いわゆるカフェレーサースタイルの本流とも言うべきスマートでシックな姿が人気を得てのコンテスト3位となったものだ。
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元々フロント19/リヤ17インチでスタンダードルックというか旧車ライクなボンネビルに対して前後18インチ化を図る。その上でフロントブレーキキャリパー(ベルリンガー4ピストンに)&フロントマスター(ブレンボRCSに)を変更して制動力とブレーキタッチを向上。リヤショックもYSSとして衝撃吸収性を高め、790cc並列2気筒のエンジンも排気量はそのままにハイコンプピストンとハイカムを組んでパンチを高めるようにスープアップ。さらに吸気系にFCRφ39mmキャブレターを組み込んでいくというハード変更を行う。
「あとはクラシックになり過ぎないカフェレーサースタイルを目指しました」と一色さんは説明してくれるが、低く、後端が絞られた燃料タンクやシングルスタイルのシート、スワロータイプのハンドルからはその適度な感じも伝わってくるし、冒頭のような元々のボンネビルのスタンダードルックからのスマートな変化も分かる。
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「山道をつないで楽しく、怖くなく走れるように作りました」というコンセプトや走りも、前述の内容、そしてFCRがエアボックス仕様で装着されていることからしっかり伝わってくる。実用面でもスタイル面でもその良さが多くに伝わって、同感する人や自分もこうしてみたいと思う人の共感を得ての入賞と考えていいだろう。
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速度計/エンジン回転計/デジタルメーターをオールインワンとしたメーターのデイトナ・ヴェローナWを中央に置くコクピット。ハンドルはハリケーン・スワローでフロントマスターはブレンボRCS、クラッチホルダーはゲイルスピードと、シンプルでいながらきちんと機能を高めていることが分かる。
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カフェレーサースタイルの流儀をきっちりとトレースしながらも後心地を損なわないようにも配慮したシートはシングルタイプを装着。
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空冷DOHC4バルブ並列2気筒790ccのエンジンはハイコンプピストンとハイカムを組みパンチを高めた仕様に。ステップはベビーフェイス製パフォーマンスステップキットに換装した。
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キャブレターはFCRφ39mmをエアボックス仕様で装着し、その外=サイドカバーにはメッシュ加工を加えている。
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フロントブレーキキャリパーはベルリンガー4ピストンに換装、前後ワイヤスポークホイールは19/17インチから2.50-18/3.00-18サイズのEXCELアルミリムに換えて前後18インチ化するなど、走りのことをきっちり考えての手の入れ方としてある。
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左右出しの排気系はアロー。リヤショックはYSSをセットする。右側配置のドライブチェーンにはD.I.Dの525ZVM-Xをチョイス。