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昭和44年 HONDA CB750Four【昭和vs平成 名車烈伝】(船山 理)
ナナハンが連れてきた時速200キロの世界
160㎞/hは250㏄でかろうじて届く速度だった。2ストのヤマハYDSならスンナリ達するのだけれど、4ストのホンダCB72は時間がかかった。しかし、最後にはもうひと伸びしてYDSを抜き去った。180㎞/hは、カワサキ650W1スペシャルだと車体がバラバラになりそうで達しない。むしろ同じカワサキの2ストA7(350㏄)や、4ストDОHCのホンダCB450なら届きそうな勢いだった。全部60年代の話だ。
その当時、世界最速と言われたトライアンフT120Rボンネビルが(実測で)185㎞/h出るという話に、皆んな打ちひしがれた。やはり敵わないのだ。そこに登...
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<バイク界の逸話>その昔、富士山の頂上までバイクで登れた!
モータースポーツではなく「冒険」!
霊峰富士山をバイクで登る。世界遺産に登録された今、そんなことをやったら世間からフクロ叩きに遭うのが目に見えているが、実はバイクによる富士登山は、けっこうな歴史のあるイベントなのだった。というのも昭和の28年(1953年)7月には「富士登山軽オートバイ競走大会」なるものが開催されている。大会会長は富士宮市市長で、この当時から「バイクの競争」に目を光らせていた警察を、何とか説き伏せての開催である。
コースは浅間神社をスタートし、この日だけ通行止めした登山道を2合目まで登るというもの。後に「富士登山レース」と呼ばれたこのイベントは3回行なわれ、これをきっかけ...
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<バイク界の逸話>3気筒なのに4本だしマフラー、異色のモデル「サンパチ」!
ラムエアヘッドを載せた空冷2スト3気筒!
コントロールと効き味に優れたフロントのドラムブレーキを握り込み、角ばったボリューム感たっぷりのタンクにヒザを合わせて寝かし込む。GT380は素直にリーンを始め、路面に接地したセンタースタンドをチャチャッと鳴らしながら、コーナーのクリッピングポイントに車首を向けた。ここからセンタースタンドは擦りっぱなしなのだが、ラインを乱されることもなく、シュ〜ンッ! という、いかにも精密機械が回っているというサウンドを響かせ、とてもシャープに立ち上がって行く。気持ちいい!
72年にリリースされたGT380は、その前年にシリーズの1号車として登場したGT750に次...
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ウワサ通り「原付二種免許」は自動車免許に付帯されるのか?
早ければ今夏頃までには原付二種免許が取得しやすくなる?
クルマの普通免許に50cc以下の原付免許が付帯されているのは、ご存知のとおりだ。だけどこれを原付ニ種、つまり125ccまでにしようとする案が取り沙汰されて、すでに久しい。現在、この話はどこまで進んでいるのか、はたまた否なのか。また施行されるとすれば、いったいどんなことが起こり得るのか、ちょっと考えてみよう。
原付一種は道路交通法の法令テストで合否が決まる。数時間かけての実技は問われないのだが、これが125ccまでの小型二輪限定免許となると、さすがに事情が違ってくる。同じ125ccでも、お使いバイクのスクーターから、GSX-R125の...
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〈バイク界の逸話〉 伝説だらけの"怪"速ライダー! 鈴木忠男
愛称は「忠さん」。レースでも試乗会でも逸話だらけ!
鈴木忠男、愛称は「忠さん」。ヤマハ車用を核とした高性能オリジナルマフラーで有名なスペシャルパーツ忠男の代表であり、自身は60年代から70年代にかけて大活躍した、ヤマハワークスのモトクロスライダーだ。今回はそんな忠さんの驚くべき逸話をいくつか紹介しよう。
初のワークスマシン、トーハツTR250で優勝!
「17歳になって千葉のスピードスクランブルに出たら、優勝してね。最年少だって言われたっけ。それでトーハツが『乗らないか?』って言うの。ワークスマシンのTR250に乗せてくれるって言うんだよ。チームを移籍して乗ってみたんだけど…。全然たいした...
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<バイク界の逸話>日本では走れない!? 幻のGLスクープ合戦!
アメリカのバイク事情は、すぐ隣りにあった!
関東村というのは、立川と横田基地に駐留する米軍の家族や軍属のための居住区の通称で、現在は返還されて跡地の一部に味の素スタジアムなどが建てられたのだけど、その広大さは今でも充分に感じられる。J・グリンセルというこの男は、横田基地でモーターサイクル教官を務めるウイスコンシン州出身の空軍将校で、ボクの知り合いである。
横田に限らず米軍基地はアメリカそのものなので、敷地内の交通は自国と同じ右側通行になる。それはいいのだけれど、任地から基地に戻った兵隊がバイクやクルマでゲートを出れば、とたんに日本の左側通行に直面する。このため事故がひんぱんに起こり、これ...
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【TMS2017】21世紀に蘇る900スーパーフォア! KAWASAKI Z900RS
全体のデザインの美しさは拍手もの!
これは見事にゼッツー、いや900Z1だ。名前も900RSであり、国内では向かうところ敵なしだったナナハン、750RSのベースモデル、900スーパーフォアZ1の再来そのものと言っていい。エンジンはすでに名車の誉れ高いカワサキZ100の水冷DOHC4バルブの直4がベースで、ボアを3.6mm縮小した948ccとする。
発表されたパワースペックはZ1000に比べれば30馬力、1.3kg-mのダウンだが、カワサキはこのモデルに「ライダーの心豊かな時間、操る悦びを提供するため、様ざまな最新技術を投入して開発した」と言う。スロットルを開いたときのレスポンスは、ライダ...
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懐かしのC100をオマージュ! HONDA Super Cub C125(コンセプトモデル)
世界累計の生産台数が、ついに1億台を突破したスーパーカブを、初代型C100のフォルムと環境規制をクリアする125ccエンジンでデザインしたというコンセプトモデル。
フットワークは前後キャストホイールとディスクブレーキで、スマートキーや電動でオープンするシートなど「今どき」の装備も加味してアピール。気になる125ccエンジンは、これがスーパーカブの未来的グローバルスタンダードな排気量なのでは? と思わせるのだけど「今回、2段構えのキャタライザーと新設のオイルフィルターなどでユーロ4をクリアした新型50と110と、このC125とは、コンセプトが異なるのです」とは関係者の弁。
(※スーパーカブ...
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モンキーというよりキングコング!? モンキー125(コンセプトモデル)
最終モデルの販売が抽選で行なわれたモンキーは、全国から実に4万通に及ぶ応募があった。そんなモンキーが復活するとすれば? というコンセプトモデルがこれ。
パッと見、え〜っ! と驚くくらいデカイ。確かにモンキーはモデルチェンジするたびに、ムクムクと大きくなった。たっぷりしたクッションのシートは、中背のライダーがまたがると両足のカカトが浮くくらいだ。さらにエンジンは、今や50ccを飛び越え、同じコンセプトモデルのC125と同タイプの125ccを載せている。もちろんマニュアルクラッチ、しっかりした太さのパイプ径でつくられた倒立Fフォーク、前後ディスクブレーキなどなど、モンキーマニアたちの追いかけ...
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【TMS2017】HONDA GOLDWINGがフルモデルチェンジ! 新たにDCTモデルも登場!
第3世代のDCTとWウイッシュボーンサス搭載!
HONDAツアラーのフラッグシップ、GL1800ゴールドウイングがフルモデルチェンジした。ユニカム4バルブヘッドの1.8リッター水冷4スト・フラット6(水平対向6気筒)エンジンを抱える、なんて言うと、ものすごいモンスターに聞こえるけれど、乗ってみると、その扱いやすさと素直な操縦性に誰もがビックリ仰天! というモデルなのだ。
ホンダ・マジックとも言えるこのビッグツアラー、どこが変わったかと言うと、まず目に付くのがFフォーク。そう、ボトムケースに相当する部分がパイプじゃなくて、なんとブレードで出来てる。これは見た目にも超新鮮だ。
ショックユニッ...