「4ストのマッハ」として生み出された異色ネイキッド
1989年に登場したゼファーをきっかけに、1990年代初頭に起こったネイキッドブーム。空冷、鋼管フレーム、ツインショックという70年代的なオーソドックスなネイキッドモデルに注目が集まる中、1992年にカワサキが送り出したザンザスは型破りなネイキッドスポーツだった。
その基本コンセプトは「4ストマッハ」で、70年代前半に強力な2スト空冷3気筒エンジンによる強烈な加速で知られたマッハシリーズを、4ストエンジンで現代に復活させることを狙ったもの。
しかしザンザスはあくまで現代的なマッハを開発することを目指した。エンジンはZXR400用の水冷直4をベースに、豪快な加速性能を狙って中低速での力強さを重視した特性に仕立て直したもので、フレームは専用設計された独特な形状のアルミダイヤモンドフレーム。異型デュアルヘッドライト、ラジエターシュラウドが目立つスタイリングも特徴的だった。
レーサーレプリカを超える加速と他のどんなオートバイにも似ていないスタイルの個性的モデルとなったが、販売面ではふるわず1995年で姿を消すことになる。しかし現代のスーパーネイキッドの原点として、忘れることのできない存在だ。
DETAIL
SPECIFICATIONS
エンジン型式 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 398㏄
内径╳行程 57.0╳39.0㎜
圧縮比 11.2
最高出力 53PS/11500rpm
最大トルク 3.7㎏-m/9500rpm
燃料供給方式 キャブレター[CVK30]
変速機型式 常時噛み合い式6速リターン
全長 2030㎜
全幅 745㎜
全高 1070㎜
軸間距離 1380㎜
乾燥重量 168㎏
キャスター/トレール 24°/94㎜
燃料タンク容量 14L
タイヤサイズ(前) 110/70R17
タイヤサイズ(後) 160/60R17
当時価格 62万9000円