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Honda CBR400RR(1988年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
ツアラー色の強かった先代からレプリカ路線へ
1986年に発売されたCBR400Rの後継モデルとして、1988年にNC23型のCBR400RRはデビューした。スポーツツアラー的な性格だったCBR400Rに対し、CBR400RRはカムギアトレインを採用した高回転型エンジンを搭載し、高剛性のアルミツインチューブフレームにプロリンクサスを組み合わせた、レーサーレプリカ色を前面に押し出したスポーティな造りのモデルとなった。
しかしホンダにはすでにレースでも大活躍して人気を集めているV4レーサーレプリカ・VFR400Rが存在するため、直4のCBRはレース色の薄いストリート向けレーサーレプリカという住...
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ホンダ「ドリームCB400FOUR」歴史解説(1974年)|伝説となったヨンフォアとは?
ホンダ「ドリームCB400FOUR」歴史・特徴
免許制度に翻弄された、数奇な運命の4気筒モデル
ホンダは750と500に続き、1972年に初の350㏄4気筒車となるCB350FOURを発売した。しかし、同クラスの2ストロークツインのライバルはもちろん、同門の4ストローク2気筒のCB350よりも走りのポテンシャルで劣るCB350FOURは、多くの支持を集めることなく廃盤となってしまった。
CB400FOURは、そんな不遇のCB350FOURの後継車として登場。上位機種と統一の4本マフラースタイルを廃し、流麗なデザインの4in1マフラーを採用。低いハンドル位置やソリッドなデザインの外装パーツ...
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Kawasaki Z400FX(1979年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
渇望されていた市場に、熱狂的に受け入れられた4気筒
Z400FXは、日本で「限定解除」に多くのライダーが苦しめられるようになってから、初めて作られたカワサキ製4気筒400㏄モデルだ。その母体となったのは、輸出市場向けのZ500で、そのDOHC4気筒エンジンのボア・ストローク(55x52・4㎜)をともに変更し、中型免許に合わせた399㏄に変更。43馬力という最高出力は、クラス最高値であった。
クランクシャフトのビッグエンド支持は、既存のZ650系と同様にプレーンベアリングを採用。カムシャフト駆動はハイボチェーンを使用。自動式のチェーンテンショナーはローラーの類を使わず、すべてスリッパー型を...
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Suzuki GSX400F(1981年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
ライバルたちに打ち勝つべく誕生した、スズキ初の4気筒ヨンヒャク
スズキは2気筒のGSX400Eを中免向けラインアップの中心に据えていたが、1980年の末にいよいよ4気筒400㏄のGSX400Fの存在を公表した。当初は輸出向けのみで、国内仕様の登場については明言しなかったが、翌1981年から国内モデルとしても販売を開始している。
その国内仕様のカタログには、「いま、スーパーマルチを体現する。ビッグマシンをも凌ぐハイパフォーマンス・メカニズムをフル装備。」というコピーが大きくあるが、空冷4ストロークDOHC4バルブ(TS㏄/ツイン・スワール・コンバスション・チャンバー)のエンジン、ANDF(...
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Yamaha DRAGSTAR400(2016年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
今なお高い人気を誇るヨンヒャク・クルーザー
400㏄クルーザーの中でも人気モデルとして君臨するドラッグスター400がデビューしたのは1996年で、そもそもXV400ビラーゴの後継モデルとして開発されたモデルだった。
エンジンこそビラーゴ譲りの400㏄空冷Vツインを引き続き採用していたが、クルーザーの魅力であるエンジンの鼓動感を強調するために大幅に改良されたもので、これを搭載するのはビラーゴよりも大幅に低重心化され、リジッド風デザインのモノショック式リアサスを備えた新設計フレームで、クルーザーとは思えないようなスポーティなハンドリングと、扱いやすく快適な乗り味を両立。
その低さを活かした流...
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Kawasaki XANTHUS(1992年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
「4ストのマッハ」として生み出された異色ネイキッド
1989年に登場したゼファーをきっかけに、1990年代初頭に起こったネイキッドブーム。空冷、鋼管フレーム、ツインショックという70年代的なオーソドックスなネイキッドモデルに注目が集まる中、1992年にカワサキが送り出したザンザスは型破りなネイキッドスポーツだった。
その基本コンセプトは「4ストマッハ」で、70年代前半に強力な2スト空冷3気筒エンジンによる強烈な加速で知られたマッハシリーズを、4ストエンジンで現代に復活させることを狙ったもの。
しかしザンザスはあくまで現代的なマッハを開発することを目指した。エンジンはZXR400用の水冷直...
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Yamaha FZ400R(1984年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
F3のチャンピオンレーサー、FZRレプリカ!
1983年にデビューしたXJ400ZはXJ400/Dの後継モデルで、空冷から水冷となり、最高出力も45PSから55PSにまでにパワーアップ。しかし当時、激戦となっていた400㏄クラスの国内レースでの戦闘力向上のために、84年に初代全日本TT‐F3チャンピオンとなったワークスマシン・FZR400と同時開発されたのが、FZ400Rだ。
スチール製角パイプフレームにセミエアフォーク、ニューリンク式モノクロスサス、フロント16インチ・リア18インチのホイールを装着。丸目2灯のヘッドライトが特徴のハーフカウルを組み合わせる。搭載されるエンジンは、XJ4...
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【プレイバック80's】「Honda NS400R」ワークスマシンNS500の市販車レーサーレプリカ(1985年)
フレディ・スペンサーが駆ったGPレーサー、NS500レプリカ
400㏄を超える大排気量2ストスポーツは70年代も半ばになると排気ガス規制などの影響で姿を消した。
しかし水冷化や排気デバイスなどで2ストが復権した80年代、折からのレプリカブームの盛り上がりと共に当時世界GPの最高峰で2ストが主流だったGP500マシンのレプリカを求める声が高まり、1984年にはスズキRG400/500Γ、ヤマハRZV500Rが相次いで登場。
これらに追随するように1985年、ホンダもNS400Rをリリースした。もちろんそのモチーフは、1983年にフレディ・スペンサーの手で世界チャンピオンを獲得したNS500...
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Suzuki GT380(1972年)<ヨンヒャク今昔物語>-Be Reborn-
愛称は「サンパチ」。ライバルとは一線を画すおおらかなキャラ
初のナナハンであるGT750を旗艦モデルに、スズキは1970年代に2ストローク3気筒のGTシリーズのフルラインアップ化を企画。水冷のGT750に1年遅れて、1972年に空冷のGT550とともにリリースされたのが、3気筒モデルの最小排気量であるGT380だ。
ラインアップの展開としては、当時カワサキのSS(H)シリーズというライバルが存在したが、スズキのGT3気筒シリーズはスポーツバイクを基本にしつつもいたずらに限界性能を追求することなく、ツーリングにも適している穏やかなキャラクターが与えられているのが特徴だった。GT550ととも...