ホンダ「ドリームCB400FOUR」歴史・特徴

画像: Honda DREAM CB400FOUR 1974年 エンジン形式:空冷4ストOHC並列4気筒 総排気量:408(398)cc 最高出力:37(36)PS/8500rpm 最大トルク:3.2(3.1)kg-m/7000rpm 乾燥重量:185kg 燃料タンク容量:14L タイヤサイズ:3.00S18・3.50S18 当時価格:32万7000円

Honda DREAM CB400FOUR
1974年

エンジン形式:空冷4ストOHC並列4気筒
総排気量:408(398)cc
最高出力:37(36)PS/8500rpm
最大トルク:3.2(3.1)kg-m/7000rpm
乾燥重量:185kg
燃料タンク容量:14L
タイヤサイズ:3.00S18・3.50S18

当時価格:32万7000円

免許制度に翻弄された、数奇な運命の4気筒モデル

ホンダは750と500に続き、1972年に初の350㏄4気筒車となるCB350FOURを発売した。しかし、同クラスの2ストロークツインのライバルはもちろん、同門の4ストローク2気筒のCB350よりも走りのポテンシャルで劣るCB350FOURは、多くの支持を集めることなく廃盤となってしまった。

CB400FOURは、そんな不遇のCB350FOURの後継車として登場。上位機種と統一の4本マフラースタイルを廃し、流麗なデザインの4in1マフラーを採用。低いハンドル位置やソリッドなデザインの外装パーツからなるスタイリングは、当時流行していたカフェレーサー・ルックを取り入れたもので、旧作よりもはるかに若々しいデザインに仕上がっていた。

最初に登場したCB400FOURは、旧作から動力性能をアップするために408㏄に排気量が拡大されていたわけだが、奇しくも登場後の国内免許制度改定が行なわれ、大型・中型の枠組みが400㏄を境に区切られてしまうことになる。

この結果、中型ユーザーに向けて、法的に400㏄以下であることを満たした国内仕様のCB400FOURを用意しなければならなくなり、1976年3月から398㏄版を発売している。これは、セミフラットハンドルを備え、スポーツ走行が楽しめるCB400FOUR‐Ⅰ(1型)と、スタンダードハンドルを装着し、ロングツーリングや市街地走行で使いやすいCB400FOUR‐Ⅱ(2型)の2タイプが用意されていた。

また、燃料タンクと同一色だったサイドカバーの塗色が、398㏄版は黒となっていた。1977年でCB400FOURは廃盤となったが、その後限定解除試験の難しさもあって、中型免許で乗れる4気筒としてのCB400FOURの人気が再燃することになった。

中古車市場ではタマ不足という現象まで起こり、その相場が高騰したのである。国内市場において、CB400FOURは最も免許制度の変更に翻弄されたモデルであった。

ホンダ「ドリームCB400FOUR」各部装備・ディテール解説

画像: 各気筒からの排気の脈動を利用して、効率を促進させることをねらった4-1マフラーを採用。またこの排気系は、排気の相互干渉により、消音効果の向上をもたらしていた。

各気筒からの排気の脈動を利用して、効率を促進させることをねらった4-1マフラーを採用。またこの排気系は、排気の相互干渉により、消音効果の向上をもたらしていた。

画像: 有効径214mmのフロントディスクブレーキを採用。このキャリパーのパッドと、リアブレーキのライニングの残量は、ともに外部から目視できる設計になっている。

有効径214mmのフロントディスクブレーキを採用。このキャリパーのパッドと、リアブレーキのライニングの残量は、ともに外部から目視できる設計になっている。

画像: 有効径180mmのドラム式ブレーキをリア側に採用。消音器は3つのセパレーターを持つ厚みのある構造であり、排気音の静かさをセールスポイントにしていた。

有効径180mmのドラム式ブレーキをリア側に採用。消音器は3つのセパレーターを持つ厚みのある構造であり、排気音の静かさをセールスポイントにしていた。

画像: 408㏄時代は燃料タンクのカラーリングに赤と青が採用されていたが、398㏄版では青に代わり黄色が登場している。なお燃料タンクの仕様も、408㏄版から変わっている。

408㏄時代は燃料タンクのカラーリングに赤と青が採用されていたが、398㏄版では青に代わり黄色が登場している。なお燃料タンクの仕様も、408㏄版から変わっている。

画像: 特徴のある、鋲打ちのデザインのシート左下には、センタースタンドをかけるときに便利なアシストグリップが備わる。フレームはセミ・ダブルクレードル型を採用していた。

特徴のある、鋲打ちのデザインのシート左下には、センタースタンドをかけるときに便利なアシストグリップが備わる。フレームはセミ・ダブルクレードル型を採用していた。

画像: メーターのデザインはCB350FOURから大きく変わり、回転計と速度計の間が広くなった。その位置には、インジケーター類を配置。鍵は使い勝手の良い両面キーを採用している。

メーターのデザインはCB350FOURから大きく変わり、回転計と速度計の間が広くなった。その位置には、インジケーター類を配置。鍵は使い勝手の良い両面キーを採用している。

文:宮﨑健太郎

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