※オートバイ2018年8月号より
ゼファーが作ったレプリカ後の新時代
等身大の扱いやすさで爆発的な大ヒットに
ゼファーが出るということは発売になる前から知っていました。先行試乗させてもらい、フラットで扱いやすいバイクだなぁ、と思ったのを覚えています。価格も安かったから、ある程度は売れそうな気はしましたが、エンジンはGPZの空冷でしたし、爆発的に売れるとまでは思っていませんでした。
実際、発売から3か月くらいはあまり売れなかったのですが、なぜかそこから火が付いたように売れ始めました。過激なレプリカに飽きたライダーや、そもそもレプリカに興味のない若者や女性ライダーを中心に売れて行き、気が付けば2年分のバックオーダー。週末になると、シャッターを開けたらお客さんが並んでいるという、今では到底考えられない状況になっていました。
当時はカスタムをする人もそれほど多くなく、大半がノーマル。後から発売になった750や1100もヒットしましたが、人気の中心はずっと400でした。来る日も来る日も納車整備に明け暮れ、店内はゼファー400ばかり。スタッフがナンバーを付け間違うほど、同じバイクであふれていたのを思い出します。最終的には、デビュー年だけで150台以上を売り、ゼファーはZ400FX以来の大ヒットモデルになりました。
実は今でもゼファーは新品パーツがかなり手に入るので、程度のいい中古の車体をベースに、新品パーツでレストア車を作りたいと考えています。楽しみにしていてください。