CBR900RRから始まりR1の登場で次の時代へ
250、400クラスで盛り上がりをみせたレーサーレプリカブームは、750、リッタークラスにも波及し、アルミフレームにフルカウルの高性能モデルが次々に登場する。
そんな流れを受けて、ホンダとしては84年のVFR1000R以来の本格的なリッタースポーツ、CBR900RRを92年に投入する。
CBR900RRがそれまでの大排気量スポーツバイクと大きく違ったのは軽量コンパクトな車体が生み出す軽快でニュートラルなハンドリングだ。
スロットルレスポンスもシビア過ぎず、どこからでもアクセルを開けていけるエンジン特性によって、ワインディングでの俊敏性は900㏄とは思えないレベルだったのである。
その後、94年にはカワサキからZX-9Rが登場するが、どちらかというと高速ツアラーとしての仕立て具合いが当時の市場には合わず、進化を続けるCBR900RRやヤマハのYZF1000Rサンダーエースに対して劣勢は否めなかった。
そこで、98年にZX_6Rをベースとして軽快性、スポーツ性を全面に押し出した新生ZX_9Rを投入。見事にユーザーにマッチし、腕自慢のライダーたちを魅了することに。
その同年、ヤマハは90年代スーパースポーツの集大成とも言えるYZF-R1を発表。それまで900㏄が戦場だったスーパースポーツを1000㏄に引き上げ、次世代の戦いへと駒を進めた。