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「HONDA CBR900RR(1992年)」“レーサーレプリカ”からのバトンタッチ 〜スーパースポーツ時代の始まり〜【花の90年代組】
CBR900RRから始まりR1の登場で次の時代へ
250、400クラスで盛り上がりをみせたレーサーレプリカブームは、750、リッタークラスにも波及し、アルミフレームにフルカウルの高性能モデルが次々に登場する。
そんな流れを受けて、ホンダとしては84年のVFR1000R以来の本格的なリッタースポーツ、CBR900RRを92年に投入する。
CBR900RRがそれまでの大排気量スポーツバイクと大きく違ったのは軽量コンパクトな車体が生み出す軽快でニュートラルなハンドリングだ。
スロットルレスポンスもシビア過ぎず、どこからでもアクセルを開けていけるエンジン特性によって、ワインディングでの俊敏性は9...
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90年代を駆け抜けた「4スト4気筒400&250スポーツ」CBR・FZR・FZR・ZXR【花の90年代組】
飽くなき「速さ」への憧れは4ストモデルにも込められた
90年代への突入をキッカケにしたように、4スト4気筒のスーパースポーツとも言えるモデルたちが熟成され、それぞれのブランドを誇示するかのように乱立を始める。
その進化は、80年代後半に圧倒的な人気を誇った全日本ロードレースTTーF3クラス(4スト400㏄以下、2スト250㏄以下の公道用市販車をベースにしたバイクで競われるクラス)をターゲットにした内容であったり、あるいはTTーF3からのフィードバックによる進化もあった。
そのスポーツ性能を高めるトレンドは400㏄のみならず。4スト250㏄にも波及した。90年に発売されたCBR400RRは...
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【ハヤブサvsスーパーブラックバードvsZZR1100】最強・最速の称号を手に入れるためしのぎを削った3モデル達【花の90年代組】
かつてない速度領域を求めて生み出されたメガスポーツ
80年代は各メーカーがレーサーレプリカを市場に投入する一方で逆輸入車の普及も進み、次々とニューモデルが投入されていった。リッタークラスにおいても高性能化、ハイパワー化の波が訪れるのである。
カワサキは86年にGPZ900Rを発展させる形でGPZ1000RXを、88年にはアルミフレームを採用したZX-10を投入。そして、90年にメガスポーツブームのきっかけとなるZZR1100をデビューさせた。
それまで市販車では不可能とされていた最高速度300㎞/hを目標に開発されたが、市街地やタイトなワインディングでも苦にならない常用域のフレキシビリテ...
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【花の90年代組】ゼファーの登場で生まれたNEWカテゴリーネイキッドの誕生【1999年 KAWASAKI ZEPHYR750】
その一台の誕生で街のバイクは一変した
いかに高性能であるか、いかにサーキットを走るレーシングバイクに近いかを競い合ったレーサーレプリカブームに陰りが見え始めた80年代末(89年4月)にデビューしたカワサキ・ゼファー400。時代はこれを待ちわびていたかのように大ヒットし、ネイキッドブームの立役者となる。
80年代にもノンカウルモデルはあるにはあったが、そのほとんどはレーサーレプリカのエンジンを低中速寄りにリチューンし、カウルレスにしただけのバリエーションモデルに過ぎないもので、いかにも剛性の高そうなアルミ製フレームを剥き出しにしていた。
その一方でゼファーは鋼管スチール製ダブルクレードルフ...
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失われた5年を取り返す消失と復活の1990年代【花の90年代組】
ひとつの大きな時代が終わり、ものごとが少しずつ正常な状態に戻って行った—オートバイ業界の1990年代って、そんな時期だったんじゃないだろうか。爆発したエネルギーが収束して、溢れ出た流れの下から、新しい芽吹きが始まった、そんな時代。
67年生まれの僕にとって、90年っていうのは23歳からの10年間。いちオートバイ乗りとして、時代の真っ只中にいたし、実はすでにこの仕事を始めていたから、実感があるどころか、リアルタイムで経験してきた。
思えば90年代の幕開けは、レーサーレプリカブームの終わりと同時にやって来た。レプリカブームっていうのは、正確にいつからいつ、と定義できるものではないけれど、僕は...
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スーパースポーツの新しい方向性を作ったR1!【1994年KAWASAKI Ninja ZX-9R/1998年YAMAHA YZF-R1/1996年SUZUKI GSX-R750】【花の90年代組】
ZXR750から進化してCBR900RRをターゲットに
Z1やGPZ900Rなど「900」という排気量はカワサキを象徴する数字であった。しかし、92年にホンダからCBR900RRが登場すると、その足元は揺るがされる。そこで、伝統の900㏄クラスの覇権争いに挑むことを選んだ。それが、ニンジャZX-9Rだ。ZXR750をベースに、ボア×ストロークを拡大して899㏄にまでスケールアップされたサイドカムチェーン4気筒エンジンで、ツインラムエアシステムを採用し、CBRを大きく上回る139PSを発揮した。
スーパースポーツを1000㏄で確立
最高出力150PS、乾燥重量177㎏、ホイールベース139...
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90年も新型出てます! やっぱり2ストが好き!!【花の90年代組】
90年代に入って下火になってきたとは言え、NSR250R(MC21)も1990年に発売されており、実は2ストモデルはまだまだ元気! 90年に発売されたモデルだけでも魅力的ですわ〜!
スチール製のスリムなトラスフレームへ、初代TZR250用をベースに街中での扱いやすさを重視するリファインを加えた水冷並列2気筒エンジンを搭載、RZを想わせるシンプルでスポーティなスタイルでまとめた2スト・ネイキッド。2ストらしい鋭さを気負わずに味わえるモデルとして根強く評価されている。
モトクロッサーRM直系の技術を投入。排気デバイスAETCⅡやφ30mmスリングショットキャブの採用し、車体も倒立フォーク+フ...
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カオスな時代だったけれど、人それぞれ何でもアリって認めてもらえたから、バイクも多様性をきわめた【花の90年代組】
16歳でヨンヒャクの免許を取ったのが1989年のことだから、10回目の試験でようやく限定解除できたのは91年の暮れか92年。ボクのバイクライフはレーサーレプリカブームの終焉ムードが漂う80年代の終わりに始まり、多感だったティーンエイジャーから20代のほとんどを90年代で過ごした。
音楽や映画、アニメなど他のジャンルもそうだったように、90年代はたくさんのカテゴリーが生まれ、個々それぞれが好きなものを選べる時代がやってきたという感じがした。聖子ちゃんのような絶対的アイドルは不在だったが、トレンドが目まぐるしく変わるカオスな状況は決して嫌いではない。
もちろん80年代の世界選手権や鈴鹿8耐に...
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ラインアップの充実ぶりが羨ましい個性派揃いの250ロードスポーツ【花の90年代組】
オートバイ誌より
猫も杓子も2ストレプリカ全盛だった80年代から、解放されたように90年代は何でもありと言っていいくらい自由な発想で作られたモデルが多く、250クラスもラインアップが大充実! 今、あったら嬉しいのに…ってモデルが多すぎます!
4気筒モデルの充実がモデル充実の時代を生む
ゼファーがネイキッドブームを生み出した影響で、いわゆる街乗り向けで生み出されるモデルに大きく変化が起きる。それまでの、レーサーレプリカをカウルレスにしたアルミ製フレーム丸出しのノンカウルモデルとは違い、新たなフレームで全く新しいモデルが多く誕生するのである。
サーキット走行がブームだったおかげで、CBR系、...