MotoGPマシンほど素敵なオートバイはない。

モトGPマシンは、地球上でもっとも速いオートバイだ。

速いマシンは、ライダーにとって最高に乗りやすいオートバイでなければならない。

つまり、モトGPマシンは最高に乗りやすいモデルなのではないか――。

この仮説は、ついに2016年に証明された。

モトGPマシンのリアルレプリカ、RC213V‐Sの登場によって。

RC213Vとは、ホンダのモトGPマシン。

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厳密に言えば、213V‐Sは、213VのサテライトスペックであるRCV1000Rのレプリカであり、RCV1000RとはモトGPマシンRC213Vのレギュレーション適応バージョンだ。

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RCV1000Rは、スペアマシンとパーツ一式つきで約100万ドル(=当時の日本円換算で1億3000~1億5000万円)で販売されたもの。

そのことを知れば知るほど、RC213V‐Sの2190万円というのはバーゲンプライスだ。

ただし、RC213V‐Sを必要以上に神格化することはない。

普通に乗れば、この上なく普通のスーパースポーツであり、出力をメインにしたパフォーマンスという面では、むしろCBR1000RRの方が上にも思える。

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ポジションの窮屈ささえ我慢できれば、ツーリングにだって出かけられる。

ただし213V‐Sは、ライダーとの意思疎通が図れるオートバイだ。

加速したい、減速したい、傾けたい、コーナリングしたい――。

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そのすべての入力に精密に忠実で、入力しなくとも思っただけで曲がり始める、というのは言い過ぎだろうか。

操作のひとつひとつが精密で、余計なガタやアソビが感じられず、ブレーキレバーもペダルも、クラッチレバーもシフトペダルも、すべてサスペンションに、タイヤと直結しているように感じることができる。

パワー感は中間加速が力強いが、むしろスロットルを開閉した時の加速と減速感や右手の開度にピタリと合致する。

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いつか古ぼけたライディング教本で読んだように、曲がりたい方を向けば、213V‐Sは考えた通りの角度と勢いで曲がっていく。

筆者は免許歴30年のベテランで、数100台のモデルで街乗りもツーリングもしたし、レースもしたけれど、こんなオートバイ、初めてだ。

213V‐Sの動力性能のことではない、感性で動く、そのモーションに感動するオートバイなのだ。

東京都内にマンションが買え、スーパーカーが手に入る価格でオートバイを買うなんて馬鹿げている――そんな声もあった。

けれど、すべてのライダーよ。もう2度と手に入らないオートバイに、一度は乗ってみて。

HONDA RC213V-S
ホンダMotoGPマシン、RC213Vをベースに、最小限のモディファイで公道走行を可能としたモデル。世界の頂点で戦うオートバイのレプリカというより、ホンダが作りたかったのは世界一扱いやすいオートバイ──それがMotoGPマシンであるという考えだ。公道走行できる市販車に許される範囲内で、MotoGPマシンそのままの構造、材質を再現し、特に加工精度に関してはこれをすべて踏襲。2000万円を超える価格も世界中の話題となった。
■エンジン:水冷4ストロークV型4気筒DOHC4バルブ ■ボア×ストローク(排気量):81×48.5㎜(999㏄)■最高出力:70㎰/6000rpm(キット装着で215㎰以上/13000pm)■最大トルク:8.8㎏-m/5000rpm(キット装着で12.1㎏-m/10500rpm)■ミッション:6速 ■全長×全幅×全高:2100×790×1120㎜ ■ホイールベース:1465㎜ ■シート高:830㎜ ■タイヤ前・後:120/70ZR17・190/55ZR17 ■車両重量:170㎏(乾燥)■価格:販売終了

撮影/折原弘之,松川 忍 文/中村浩史

公式サイト

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