そのスタイルからして、既に闘う意思を感じさせる、生粋のピュアスポーツである。その魅力を試乗しながら確認してみよう。
世界中で一番「真剣」なスーパースポーツ!
世界中の125㏄スポーツの中で、いちばん刺激的、いちばん本気なのがKTMのRC125だ。ベースはネイキッドの125DUKEで、大きな変更点はフルカウルの装着やライディングポジション。しかし、それだけでもかなり攻撃的なパッケージのモデルだ。
エンジンはDUKE同様の水冷4バルブ・DOHCシングル。最高出力はヨーロッパの原付免許に当たるA1ライセンス枠上限の15PSだが、これが回転上昇と同時にパワーが盛り上がってくる特性で、回転フィーリングが軽く、回転のアップダウンのピックアップが鋭い。
特に4000回転、そして7000回転あたりで2段階にトルクがグッと盛り上がり、なかなかエキサイティングだ。
車体設定がまた超攻撃的で、ハンドルを下げてバックステップに、さらにキャスター角を立ててホイールベースを短くしているから、キビキビ走るDUKEよりさらにシャープに、さらにアグレッシブに走る!
もちろん、前傾姿勢である以外はストリートランも普通にこなせるが「速く走ろう」というライダーのアクションにきっちり応えるのがRC125なのだ。
ワインディングを走って、コーナー進入でブレーキング→ブレーキを残しつつコーナーに進入→シャープに車体をバンクさせて→コーナー出口が見えたらアクセルON、という動きがわかりやすく、ひとつのコーナーをクリアすると、もうひとつ、さらにひとつと頑張りたくなる。
この楽しさ、高揚感に、正直いって排気量なんか関係ないのだ。このあたりはさすが世界グランプリレース・MOTO3クラスの常勝メーカー。125㏄だから「こんなもんでいいか」という妥協が一切ない!
兄弟モデルのRC250/390とほぼ共通のパッケージで、フルデジタルメーターやWP製倒立フォーク、バイブレ製ラジアルマウントキャリパーなどの豪華装備ももちろん共通。
むしろ、125㏄らしくアンダーパワーなので、バイクの効果的な動かし方をいちばん勉強できるモデルと言えるだろう。
マイナーチェンジされた現行モデルは、125DUKE同様に別体サイレンサーとなったが、本来の性格や走りのスパルタンさは健在。
このRCは、カッコだけの「レーシーなバイク」ではなく、真剣に「レーサー」を追い求めたがゆえのこのパッケージ、と捉えるべきモデルなのである。
【主なスペック】
ホイールベース:1340±15.5mm
シート高:820mm
車両重量:135kg(乾燥)
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
総排気量:124.7cc
ボア×ストローク:58×47.2mm
圧縮比:12.6
最高出力:15PS/9500rpm
最大トルク:1.2kg-m/8000rpm
燃料供給方式:EFI
燃料タンク容量:10L
変速機形式:6速リターン
ブレーキ形式 前・後:φ300㎜ディスク・φ230㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後:110/70ZR17・150/60ZR17
価格:税込53万円
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PHOTO:南 孝幸/赤松 孝 TEXT:中村浩史
KTM RC 125 オフィシャルサイト
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