ウイングレットは、ダウンフォースを生むGPテクノロジー
【主な機能・効果】
1.不要なフロントリフトの低減
2.安定した走行性能の確保

2016年ごろから、MotoGPマシン各車に装備されて話題を呼んだのがWINGLET(ウイングレット)。
中にはまるでF1のような大型ウイングまで登場したが、その後のレギュレーションの改定などで現在は控えめなものとなっている。
そんなウイングレットが近年市販車にも導入され始めており、2019年モデルのドゥカティ・パニガーレV4Rには、2016年のワークスマシン・デスモセディチGP16のノウハウが入ったウイングが装着されているほか、カワサキのニンジャH2Rには、川崎重工業の航空機部門の協力を得て製作されたウイングが備わっている。

ドゥカティ「PANIGALE V4R」

カワサキ「NinjaH2R」
こうしたウイングの主目的はシンプルで、バイクの車体のフロント部を押さえつけること。
急加速時などの際に起きるフロントタイヤのリフトを抑えることで加速性能を高め、ラップタイムの向上につなげるものだ。
他にも、ダウンフォースが増加するため、コーナーの進入時に安定感が増すなどの効果も実証されている。

これはパニガーレV4Rのウイング。車体側の部分はストレーキ(整流板)と呼ばれ、進行方向に対して尻上がりの角度に設置することでフロントリフトを抑える。車体外側の湾曲した部分は側方の空気を整流するためのウイングとなっている。