レース参戦を視野に入れワークスマシンの技術を投入した、ホンダ「CB1100R」
1980年にイギリス・アールズコートショーに登場したCB1100Rは、当時「ここまでレーシングイメージを醸し出す市販モデルはない」と評された、センセーショナルなモデルだった。
1970年代終盤に、改造範囲のごく狭いプロダクションレースが盛んになったこともあり、当時の最大排気量である1100㏄のスポーツモデルを、と企画されたモデルだった。
レースデビューは、80年秋のオーストラリア6時間耐久レース。
CB900Fのエンジンをベースに排気量を1062㏄まで拡大、フレームもCB900F用をベースに各部を専用設計した。
レース出場を視野に入れ、26L容量の軽量アルミタンクを標準装備。
デビューレースを勝ったCB1100Rが市販モデルとして正式デビューしたのが、前述のアールズコートショーだったのだ。
当初は1年限りの予定だったが、あまりの反響の大きさに82年、83年にも生産を継続。
結局、CB1100Rとして製造されたのは全年式あわせて約5600台で、日本へは300万円オーバーという超高額で逆輸入されていた。
当時CB750Fインテグラが75万円だった頃の話である。
現在でも、数は少なくなってしまったが、中古市場で300~500万円程度で取引されている。