出来心で作り上げたカスタム提案スタイル
スズキからニューKATANAが発売されて数日で仕上げられ、周囲に「もう登場したか!」 と驚かせたカスタム。手がけたのはチタンEXや削り出しパーツでおなじみ、大阪のケイファクトリー。だが代表・桑原さんはそのコンセプトらしきものをこう言う。
「いや、もう出来心なんですよ(笑)。車両が5月末発売で、そこからいろんなパーツをくっつけてはいるんですけど、性能うんぬんや寸法うんぬんは、この時点では全然気にしていないんです。『パーツメーカーだから車両が事前に来ていて寸法取りだなんだも出来てて、さあ発売』とかいうのとも違ってます。

あと、ちょっと賑やかな感じも盛り込みたかったんです。’90年代あたりのカスタムブームの頃は、
アフターメーカーのカスタムデモ車って、だいたいフルカスタムだったでしょう? 仲の良いパーツメーカーの部品をあちこち付けて、コンプリートカスタムのように作って皆さんに見せてましたよね。
今は自分のところの製品だけ付けましたという販売促進車的なものが多くて、それも寂しいなと思ってたんです。せっかくカスタムってジャンル、オトナでこういう車両に興味があって、パーツも買ってくれるような人が中心にいるジャンルだから、そんな人たちの心を興奮させられればと考えた。
だから言ってしまえば、カスタムファンの人に向けたニューKATANAのカスタム想像図、その立体版。私にCGなんか描けませんから、出来ること=形を実際に作ってくっつけて立体で仕上げてみたという感じですよ。おお、エライの出てきたなって、そんなファンの人に笑ってもらえればいい」
そうは言うものの、いや、そうだからこそこのルックスには目を惹かれるのかもしれない。
ぐっとリヤに伸びたゴールドのマフラー、元祖カタナのスクリーン、そしてテールを伸ばして見せるようなナンバーステー。かっこいい!
「そう捉えてもらえるなら十分です。この車両を買う予定で予約を入れてる人も、今はおそらくまだ待ちで、納車されたらこうしてみよう、ああしてみようって考えてると思います。そうした人たちにも待っている間に妄想を膨らませるきっかけになればいいんです」とも桑原さん。
各パーツはこれからの開発になるが、このスタイルだけでも確かに期待は膨らむのだ。
Detailed Description 詳細説明

スクリーンはニューKATANA純正をベースにその前側にマウント。空冷カタナ用を装着したものだが高さが増し、カタナらしい精悍さがかなりアップしている。

オーリンズ製フロントフォークをマウントするためにステムも変更。その上で、マジカルレーシング製ハンドルバーを低めにセットしている。カーボンモノコックミラーやテーパーハンドルバーもマジカルレーシングの汎用品を装着。この後ノーマル対応でハンドルバーが車体前に行くトップブリッジも、ケイファクトリーから発売された。

複数プレートを縦に組み合わせたナンバーホルダーはリヤまわりをすっきりさせ、ノーマルKATANAで感じられる全体の寸詰まり感も抑える。

ステップキットは撮影後に開発も進み、市販に移された。20/30mmバック×0/10mmアップでノーマルマフラーにも対応している。

ラジエーターコアガードやエンジンスライダー、樹脂製のエンジンカバースライダーはそれぞれ製品化&市販化済み。サイドフィンは取材時点では開発中だった。

カスタム感も見せるラジエーターキャッチタンク(汎用品)だが、ここはノーマルで一体式となっているラジエーターステー/ラジエターキャッチタンク用ステーを分割したものを試作→後に市販化している。

ゴールドでアクセントともしたフロントフォークはオーリンズ製で、カーボンフェンダーやブレンボ製ラジアルキャリパーを組み合わせる。

「CLR-RG+チタンフルエキゾースト ヘキサゴンサイレンサー(JMCA認証)」は市販に移され、随時デリバリー中。スターティングゴールドのチタン4-1集合でエキパイはφ42.7mm。ぐっと伸びたエキパイ/サイレンサーは最近の市販車純正ショートに慣れた目には新鮮だ。

リヤショックはオーリンズ、ホイールは前後ともBSTカーボンで、マフラーや自社製品/試作品にとどまらないカスタム感を演出している。

チタンフルエキのサイレンサーは385mm長のヘキサゴンタイプで前後エンドがアルミ削り出し。300mm長サイレンサーのスリップオンも登場している。
協力:ヘリテイジ&レジェンズ編集部
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モーターマガジン社 (2019-08-27)