(聞き手:葉月美優・月刊オートバイ編集部)
KATANA誕生のきっかけとなったコンセプトモデルをデザインしたロドルフォ・フラスコーリ氏
イタリア・ミラノ在住の53歳。KATANAの前身となった伊・モトチクリスモ誌の企画によるカスタムコンセプト「KATANA3.0」のデザイナー。モト・グッツィ、ベスパ、トライアンフなど、欧州メーカーのデザインを数多く担当している。
愛車は新型KATANAの純正アクセサリー装着車。欧州では「JINDACHI」=陣太刀という名でコンプリート販売されているモデルだ。
Q.初めて来た日本の印象を教えてください。
ここ(会場の浜松市フルーツパーク)の気候は僕が住んでいるミラノによく似ていて、とても気に入りました。
日本に来てそのまま会場入りしたので、まだ観光はできていないんですが、近いうちにプライベートでまた来て、色々な名所をじっくり見て回りたいですね。
Q.会場のカタナファンの印象はいかがでしたか?
会場で声をかけていただいたり、サインを求められたりして、とても嬉しかったです。
私は日本に来たのは初めてですが、今回のミーティング会場でお会いした日本のカタナファンの印象は、手入れの行き届いたファーストカタナを丁寧に乗られている方が多かった。
とてもエンスージアスティック(熱心)だと感じました。
Q.KATANAのデザインをするまで、カタナというバイクの印象はどんなものでしたか?
初めてファーストカタナを見た頃、僕はまだティーンエイジでしたが、当時、他のバイクはそれぞれのパーツがばらばらに並んでいるようなデザインだったのに対し、ファーストカタナは全てのボディパーツが流れるようなデザインでつながっていて、まるでバイクの未来を見せられているかのようでした。
すごいな、このバイクは10年以上先を行っているんだな、と思ったのを覚えています。時が過ぎて、まさか自分がKATANAのデザイナーになるなんて。もう夢のようです。
Q.KATANA3.0をデザインするとき大切にしたことは何ですか?
デザインの際に心がけたのは、ファーストカタナが持つ唯一無二の個性をストレートに現代のバイクに反映させること。
ボリュームあるタンクからシャープなノーズまで、一直線につながるアイコニック(特徴的)なキャラクターラインには特にこだわりました。
ここは個人的にも一番気に入っているポイントです。あとこだわったのは「レトロなバイク」にだけは絶対しない、ということ。「カタナ」伝統あるブランドですが、新型KATANAは最新のスポーツバイクですから。
Q.シルバーとブラック、どっちのKATANAが好きですか?
どっちも好きです(笑)。実際、僕も購入時にシルバーかブラックかで、最後まで悩んだくらいですから。
シルバーはカタナらしいキャラクターラインがキレイに出るカラーリングですし、ブラックは迫力のある、マッシブな印象を与えてくれますね。
Q.アップハンドルをどう思いますか?
KATANA3.0をデザインしたときはカッコよさを重視してハンドルを低くセットしましたが、いざKATANAのオーナーになって乗ってみるとアップハンドルの方がいいなと思います。
KATANAはライダーが前寄りに座るポジションなので、このハンドルのおかげで楽な姿勢も取れますし、テクニックのあるライダーならモタードのような感覚で、マシンを積極的にコントロールすることもできる。このハンドルはKATANAに合っていると納得していますよ。
Q.KATANAのインプレッションを聞かせてください。
すごくパワフルでクイック! 200PSオーバーのスーパースポーツも刺激的ですが、KATANAだって150PS近いわけですから。
GSX‐R1000(K5)のエンジンも力強いし、僕には十分以上にエキサイティングです。あと、KATANAで出かけたとき、パーキングエリアに停めると、必ずと言っていいほど周りの人から声を掛けられ、バイクのことについて聞かれるのが嬉しいです。
KATANAオーナーになってよかったな、と本当に思います。
Q.最後に、日本のファンにひと言お願いします!
カタナは他のモデルとは比べられない唯一無二のバイクです。
ファーストカタナ、新型KATANAともども、長く楽しんでいただけたら嬉しいです。
来年もミーティングに呼んでいただけるなら、喜んでイタリアから飛んできます! またお会いしましょう!
聞き手:葉月美優・月刊オートバイ編集部