現在10号機を製作中のコンプリートカスタム
カワサキGPZ900R、初代ニンジャをクラシックの部類に入れていいかという問題はあるが、もし今、Z900RSやニューKATANAのように新ニンジャが現れるとしたら、こんな作りではないのだろうか。
ルックスはニンジャベースのカスタム。だがよく見ると、エンジンと足まわりは現代のスーパースポーツだ。

じつはこの車両、NENによる“GPZ-10R”と呼ばれるカスタムコンプリートの9号機。その名の通りにGPZ900Rのフレームをベースに、カワサキZX-10R(ここでは’09年型)を加工装着と言うか、
融合させたものだ。
「300㎞/h出せるニンジャを作ってみようというのがきっかけでした。それを突き詰めていくと、ニンジャベースよりもエンジンをそのまま載せ換えて……となって、この構成になったんです」
そう言うのは、GPZ-10Rを手がけたNENの田中さん。同店はZXR400/Rやザンザスなど’90年代カワサキ4気筒に強く、ワンオフ製作も得意とする。
「作るのは良かったんですが、エンジン位置も載せ方も手探りで進めました。結果的にサブフレームを配してそこにシリンダーヘッド部マウントを作る方法で積み、重心位置も問題なくなりました」と、ニンジャカスタムでよく見る手法を逆手に取るようにして解決。
ほかにも燃料タンクはFI対応で燃料ポンプを追加、その他外装はニンジャを元に田中さんがカーボンで作った(純正流用でなく、さらに軽いものになった)。
ここまでの製作車両は基本的には各オーナーに気に入られているとのこと。気になる乗り味は「GPZと言うよりもZX-10R寄りですが、GPZとして考えた場合、大きめな車体にコンパクトでパワフルなエンジンを積んだこともあって“走る、曲がる、止まる”感じが強まっています」と田中さん。
異例ではあるが、バチッとはまる人には好適な1台と言えそうだ。
Detailed Description 詳細説明

ステムはZX-10Rだがバーハンドル仕様とするためアッパーブラケットを新作。ワンボディメーターはZX-10Rでフロントマスターシリンダーにはブレンボを装着する。

フューエルインジェクション化に当たり、燃料タンク内には燃料ポンプが追加される。その他の外装、カウル/サイドカバー/テールカウルはNENによるカーボン製が装着される。

メインフレームがZX-10Rになったのに対し、サブフレームとエンジンまわりのダウンチューブはGPZ900Rを加工することで、外装を違和感なくフィッティングしている。

シートレールはGPZ900R加工で、電装類/ハーネスは当初のGPZ900R純正位置に、後にZX-10R位置に変更した。マニュアルもZX-10R準拠とした。

アンダーサブフレームとセンターサブフレームを追加、ZX-10Rのシリンダーヘッドにあるエンジンマウントをセンターサブフレームに締結している。

エンジンおよびメインフレームは2009年型ZX-10Rに換装されている。合わせる吸気系もZX-10Rそのもの。ダウンドラフト式フューエルインジェクションで、サブコンiconⅢでセッティングする。

足まわりも基本的にZX-10Rで、フロントフォークはノーマルKYBのモディファイ仕様。ブレーキキャリパーにはブレンボラジアル4Pを使う。

排気系はGPZ900Rの雰囲気に近づけるために'04年型ZX-10R純正のチタンを選択した上で加工し、サイレンサー部分を新作している。

リヤはリンクまわりをGPZ900Rフレームに合わせてオリジナル加工。オーリンズのZX-10R用ショックユニットも加工して使っている。前後ホイールはMAGTAN JB3で3.50-17/6.00-17。軽量な車体作りにひと役買うと同時に、カスタムらしい作り込みにも貢献しているアイテムだ。
取材協力:バイクショップNEN
記事協力:ヘリテイジ&レジェンズ
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モーターマガジン社 (2019-10-28)